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タイの日本食文化支える意外な醤油メーカー

ヤマモリ、強さの秘密

2013年8月5日(月)

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 タイでシェア1位の日本の醤油メーカーは?と聞かれたら、多くの日本人は「キッコーマンでしょ」と答えるだろう。ところが、この問題の正解は「ヤマモリ」。三重県に本社を置く同社は、日本でのシェアは数%、7~8位にとどまる。

 日本ではキッコーマンやヤマサ醤油などの後塵を拝しているヤマモリが、タイでは50%以上と圧倒的なシェアを握るようになった秘密を、バンコクで探った。

 タイは今、空前の日本食ブーム。首都バンコク中心街のショッピングセンターは、どこも日本食レストランのチェーンで溢れている。こうしたチェーン店の味を陰で支えているのが、ヤマモリだ。

 ヤマモリがタイで高シェアを握っている理由は大きく分けて2つある。

 1つ目は、いち早く現地工場を立ち上げ、コストを削減したこと。ヤマモリは1997年にタイで醤油を販売し始めたが、工場を立ち上げたのはなんとその2年前の95年。現地の企業にタイでの事業展開を打診されて調査に訪れたところ、予想以上に日本食が浸透しており、市場拡大の可能性を感じたため、一気に工場建設まで決めてしまった。

 日本の企業は一般的に、市場調査を兼ねて試験的に海外で販売をしてみて、需要があることを確認してから現地生産に踏み切るパターンが多い。だが、ヤマモリはその逆をいった。

 ヤマモリの醤油の販売価格は、500ミリリットルで60~70バーツ弱(約200円)と、日本とあまり変わらない。物価の割に高く感じるかもしれないが、スーパーマーケットなどで横に並ぶ日本製の醤油はその2~3倍はする。

 同業のキッコーマンはシンガポールの工場からタイに輸出しているため、ヤマモリは輸送コストなどで優位に立つ。

 タイに進出している日系の食品メーカーは「日本のメーカーは味などにこだわりがあるのはいいが、価格が高すぎ、コスト競争力が求められるタイではなかなか手を出しにくい。そんな中、ヤマモリは現地の需要にうまく対応している」と話す。

現地の味に合わせない

 価格は現地の需要に合わせているが、こだわって決して変えていないのが、味。これがヤマモリの第2の強みだ。

 タイの現地工場では、日本の日本農林規格(JAS)にのっとって、醤油を生産している。薄口醤油は日本で製造したものを輸入すると、輸送の時間がかかるため、1週間から1カ月で変色してしまうが、現地生産しているヤマモリからであれば、日本と同じ味、同じ品質のものを調達できる。

 記者もタイで製造されたさしみ醤油で刺身を食べてみたが、違いは分からなかった。

 タイ料理は甘味や酸味が強いが、現地の好みにはあえて合わせない。タイ販社のヤマモリトレーディングの藤田智行マーケティングマネジャーは「現地の味に合わせず、日本の味を維持しているからこそ今の価格で売れる」と話す。

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「タイの日本食文化支える意外な醤油メーカー」の著者

中 尚子

中 尚子(なか・しょうこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞入社後、証券部で食品やガラス、タイヤ、日用品などを担当。財務や法務、株式市場について取材してきた。2013年4月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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