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海外勢が試す安倍“安定”政権の本気度

株価が揺さぶる円相場に透ける投機色

2013年8月6日(火)

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 参議院選挙は与党圧勝に終わった。しかし、株価はそれを好感して上昇するわけでもなく、むしろ調整を続けている。円相場も同様に円安・ドル高傾向に陰りが見え、1ドル=100円の節目を前に底堅い展開。これに対する市場の解釈は様々だ。

 第1説は、「選挙前から与党の圧勝は予想されており、選挙結果にサプライズはなく、市場は無反応なのだ」との見方。確かに「アベノミクス」をはやして上昇してきた株価だが、すでにその「神通力」も剥落している。特に選挙前の動向に限れば、与党圧勝を予想し、その期待で株価が持ち直していたわけではないので、選挙後に「材料出尽くし」によって株価が下落・低迷する理由にはならない。

 第2説は、「自民党圧勝により安倍晋三首相の関心が経済から憲法改正問題にシフトするのではないか」「経済政策推進の勢いが鈍るのではないか」という見方だ。つまり、「『第3の矢』がうやむやになるのではないか」という懸念だ。あるいは、既に発表された「成長戦略」の柱も、何だかピンとこない細かな戦術的政策にとどまっていることから、「もはや何も出てこないのではないか」との懸念すら高まっている。これは確かに株価の抑制要因かもしれない。

 3つ目の説として、消費税増税に対するスタンスを挙げる見方もある。消費税増税については、短期的な視点と長期的な視点で、株価に与える影響が逆になる。短期的な視点とはストレートな見方で、「増税が景気抑制・株価調整要因となる」わけだ。一方、長期的な視点からは、「これだけ自民が圧勝してイニシアチブをとったにもかかわらず、消費増税を今、決断できないのであれば、いつやれるのだ」という財政規律の問題、あるいは政治に対する信認の問題である。確かに「第2の矢」は「柔軟な財政政策」ではあるが、景気も上向き、与党が過半となっても決められないとなると、もはや、問題先送りというしかない。こちらはむしろ不透明感、あるいは政権・政策の迷走リスクということになろうか。

株価に引きずられる円相場

 こうした日本株の動向に引きずられているのが円相場だ。本来は企業部門全体の収益、そしてマクロ経済を左右する円相場の動向が株価を左右してしかるべきだ。実際、昨年秋以降は、円安を受けて日経平均株価は上昇し、あるいは円高を受けて下落していた。「円相場から株価へ」というのが通常の値動きの波及経路であり、両者に高い相関をもたらしていた。しかしここにきて、影響を及ぼす方向が逆になってきた感がある。すなわち日経平均の下落を見て円が買い戻され、あるいは上昇により円が売られ円安・ドル高となっている。

図1:日経平均株価と円の対ドル相場との相関

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「海外勢が試す安倍“安定”政権の本気度」の著者

深谷 幸司

深谷 幸司(ふかや・こうじ)

FPG証券・代表取締役

三菱銀行からドイツ証券、クレディスイス証券を経て、2012年に為替アドバイザーとして独立。2013年3月からFPG証券代表取締役。相場変動をいかに乗り切るかをテーマに個人から企業に至るまでサポート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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