• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中古車市場は、ブックオフに学べ

カーシェアリングなんてつまらない!

2013年8月8日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 筆者は最近、『風の谷のナウシカ』(コミック版)全7巻を「大人買い」した。

 講義で学生たちに「あの映画こそは世界に誇れる現代の日本人の自然哲学の象徴」などと高説を垂れたら、「いや先生、ナウシカは、コミック版の方が深いです」と返り討ちにあったため、慌てて購入した次第である。

 このような書籍の大人買いは、文字通り大人の嗜みである。『世界の歴史(全10巻)』とか『ローマ人の物語(全15巻)』など、自分の専門や仕事と関係のない本を、財力にモノを言わせてまとめて買う。なんという快感だろう。

 書籍はさらに、もう1つの快感を与えてくれる。そう、ちょっと賢くなった気分である。ポチッとクリックした瞬間に、すでに賢くなったような気になる。手元に届いた時点で、賢くなった感は頂点に達する…。しかし、その感覚は、読まずに積んである状態を見るたびに、じわじわと減っていく。やがて代わりに後悔の念が芽生えてくる。

 それでも、他人には「ああ、あれ。全巻持っていますよ(決して読みましたよ、ではない…)」と言える喜び。あれはなかなかのものだ。そして素晴らしい本と戯れる私も素晴らしい存在に思えてくるあの勘違い(笑)も人生における幸福のひとつではないか。

「そうだ、本は売ればいいんだ」

 しかし、そのうち限界が訪れる。保管場所の問題である。仕事の資料をどっさり入手した時や、別の知的財産を大人買いしたいという衝動に駆られたとき、ウチで積んだままになっている『世界美術大全集』や『宮本常一著作集』の存在が私を苦しめる。

 そのとき、賢くなって素晴らしいはずの私に名案が降ってくる。

「そうだ、売ればいいんだ」

 かくして私はいそいそと古書店へ大人買いした書籍を持ち込み、いくばくかの日本円に替える。買い取り値は買ったときよりはもちろん安いが、それでも、いくらかは回収できたという満足感が湧いてくる。やっぱり、私は賢かった――。

 これは、一時的にではあっても、本を所有していたことで生じる現象である。これらの本が図書館や他人から借りたものであっては、このような物語は生まれない。

 「所有からシェアへ」などと言っている輩はこのあたりの微妙な男心を理解していないと言わざるを得ない。

コメント29件コメント/レビュー

中古本には資産性がないため、ブックオフでの価格は、消費者が決める。「この商品はこの価格なら買う」というものである。人気があれば、または限定のものであったりすれば、何人の手に渡った本であろうと、その価値は変わらないだろう。また、一般人は載らないような、クラシックカー、スポーツカー、そういったものには、人の嗜好による市場が存在するだろうし、そういった車を趣味としている人には、中古車市場はすでに開かれていると思われる。しかし、一般的な、「足」としての自動車は、資産であり、その年式ごとに最低価格は決まっている。その最低価格の上に、走行距離、事故歴、色、その他条件が乗ってくる。中古本と中古車は、まったく異なるものと考えられる。(2013/08/19)

「上山信一ゼミの すぐそこにあるブルーオーシャンを探せ」のバックナンバー

一覧

「中古車市場は、ブックオフに学べ」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中古本には資産性がないため、ブックオフでの価格は、消費者が決める。「この商品はこの価格なら買う」というものである。人気があれば、または限定のものであったりすれば、何人の手に渡った本であろうと、その価値は変わらないだろう。また、一般人は載らないような、クラシックカー、スポーツカー、そういったものには、人の嗜好による市場が存在するだろうし、そういった車を趣味としている人には、中古車市場はすでに開かれていると思われる。しかし、一般的な、「足」としての自動車は、資産であり、その年式ごとに最低価格は決まっている。その最低価格の上に、走行距離、事故歴、色、その他条件が乗ってくる。中古本と中古車は、まったく異なるものと考えられる。(2013/08/19)

リースじゃダメなんですかね。友人で3年おきに新車に乗り換えている人がいますけど。数か月ごとに乗り換えたい、なおかつ、所有したいというような人がそんなにいるんですかね。外国のほうが中古車市場が盛況というのはその通りですよね。米国はそうです。かなり年式と走行距離がいった車も日本ではありえない高値で取引されています。このへんは車社会ということがあるかと。運転免許を取ったり、車を所有することの敷居が非常に低いので。日本もそういう車を取り巻く制度をいじらないとだめかなと。アメリカだと高校生からグランパ・グランマまで車を運転しています。日本も高校生から免許をとれるようにして、公共交通機関のシニア割引を止めれば車に乗る人が増えるかなと。あと、車検制度は根本的に変えなきゃだめでしょう。私の住んでいる州だと車検は毎年なのですが、毎年数十ドルしかかからないです。日本にいたときは11年目から車検の負担が倍に増えるようになっていたのですが、こういうのは新車購入を促す代わりに、中古車の価値を下げているのでは。(2013/08/16)

ブックオフは高回転で稼いでいるので、例えば、漫画では連載中のものくらいしか買い取ってはくれません。となると、最初のオーナーは買い取って貰えても、次のオーナーは買い取ってもらえなくなるように思います。ポイントは事故や故障暦を含めた安全性の判断かなと思います。自賠責などは、規制緩和ではなく制度の統合による手続きを容易にすることは出来るのかと思います。車はドアツードアが便利なので自分の車庫においてあるべきという意見は同意です。カーシェアリングは、会員制にすることで、レンタカーを利用しやすくしている訳で、中古販売よりも、中古車リースの方が主張にあった形なのかなと思いました。いずれにせよ自動車販売はビジネスでではありますが、車は一トン以上の鉄の塊、凶器になりうるという視点は無くしてはならないと思います。(2013/08/14)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長