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丸紅、ガビロン買収で見えた2つの関門

2013年8月9日(金)

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 大手商社の丸紅が得意の穀物事業で攻勢をかける。このほど米穀物大手ガビロン(ネブラスカ州)の買収手続きが完了し、大豆やトウモロコシなどの穀物取扱高は年間5800万トンと、世界トップの米カーギルに次ぐ規模となる。ただ、成長市場と位置付ける中国では独禁当局から丸紅、ガビロン両社が別々に大豆を取り扱うという条件が課せられ、相乗効果を見出しにくい。生産地の北米から消費地のアジア・中国まで効率的な海上輸送体制の整備にも課題が残る。

丸紅・ガビロン連合の穀物取扱高はカーギルに次ぐ規模になるが…

 「大豆はおかず、トウモロコシはご飯に例えると中国の穀物需給が見えてくる」。丸紅経済研究所の美甘哲秀所長は、こう話す。

 大豆は食用油としての用途が中心。中国では「食の西洋化」とともに2020年の大豆輸入量が1億トンと、2012年(6000万トン規模)から6割強増える見込み。トウモロコシはパン、家畜飼料向けが多い。需要は伸びているものの、輸入量の世界トップは今のところ日本だ。

 丸紅も大豆を「戦略商品」と位置付け、中国の大豆総輸入量の約2割を占める。しかし中国独禁当局から買収認可を受ける代わりに、丸紅とガビロンは当面、一体で販売することができない。中国では2つの販路が併存することになる。M&A(企業の合併・買収)による相乗効果が最も期待できる巨大市場で、出足からつまずいた格好だ。

商事、物産の追撃で混戦模様に

 打開策はあるのか。ひとつは「時間が経過すれば解決する」という見方だ。「中国独禁当局の条件は一過性で今後3年前後で切れるのではないか」(アナリスト)との指摘がある。食糧の安定供給という視点から、独禁当局も規制一点張りではいかない可能性がある。将来、丸紅・ガビロン連合が大豆を共同で販売できる余地は大きい。

 この3年を長いと見るか、短いと見るか――。穀物ビジネスの競争力を規模のメリットが左右するとすれば、丸紅が警戒するべきは3年のうちに他社が追い上げてくるリスクだろう。ガビロンは農家から集荷した穀物の保管施設を米国で約140カ所保有。丸紅と合わせると計950万トンと、全米2位の集荷能力になる。一方、ライバルの三菱商事なども相次いで反撃に出ている。規模で勝る丸紅・ガビロン連合が現在は優勢といえども、今後も勝ち残る保証はどこにもない。

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「丸紅、ガビロン買収で見えた2つの関門」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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