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コスト負担を嫌がる企業が「ババ抜き」再開?

企業物価の「誇大表示」に隠れたデフレ脱却の壁

2013年8月19日(月)

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 日銀が8月12日に発表した7月の企業物価指数(2010年=100)で、国内企業物価は102.1と、前年同月比でプラス2.2%になった。4カ月連続の上昇で、前年同月比プラス幅は前月から1.0ポイント拡大し、2011年8月(プラス2.2%)以来の大きさになった。

 しかし、このプラス2.2%という前年同月比の数字は、企業物価の足元の上昇を「誇大表示」しているとも言えそうだ。

前年同月比だけでは分からない「供給ショック」

 この指標の予想を立てているエコノミストのほとんどが恐らく知っていることだが、今年の5~7月の前年同月比を算出する場合、比較対象である昨年同時期の指数がかなりきつい下落となっていたため、仮に前月比が横ばいで推移しても、前年同月比はプラス幅をどんどん拡大してしまうという、テクニカルな要因が存在しているのだ(図1を参照)。

図1:国内企業物価指数 2011年以降の毎月の指数水準
出所:日銀

 このため、国内企業物価については、前年同月比だけでなく、前月比の動き、あるいは指数そのものの水準を、合わせて見ていく必要がある。

 今回の7月分は、前月比ではプラス0.5%になった。プラスに寄与したのは、「電力・都市ガス・水道」(プラス0.33ポイント)、「石油・石炭製品」(プラス0.15ポイント)などだ。これらプラスに寄与した品目が、いずれもエネルギー関連であることが目を引く。企業間の取引段階で、“財”の価格の上昇圧力には現時点で広がりが伴っていないことがうかがえる。

 もちろん、為替の円安・ドル高の影響にプラスアルファされる動きとして原油のドル建て国際市況が高騰するようなことになれば、企業物価だけでなく、「ガソリン」「灯油」「電気代」といったエネルギー関連品目を通して消費者物価に対しても、外からの「供給ショック」による上昇圧力が急速に強まりかねない。

 しかし、そうした「供給ショック」による指数の上振れには、持続性が伴いにくい。そのことは、2007~08年の原油・穀物などの「資源バブル」局面の経験から、すでに明らかになっている。

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「コスト負担を嫌がる企業が「ババ抜き」再開?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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