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北方領土を歩いてきた

2013年、「色丹島」編

2013年8月21日(水)

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 根室を出た船は、国後島に向かって舵を切った。眼前には雪渓を抱いた国後の山々が並び、えもいわれぬ風景が広がっている。ふいにイルカの群れが海から飛び出し、アーチを描いた――。

 記者は8月2日から3泊4日で、北方領土を訪れた。1991年に日露政府が合意した「ビザなし交流」の訪問団員として、昨年の択捉島に続いて参加したのだ。今回の目的地は、色丹島だ。

 船はひとまず国後島へと向かうのが決まり。北方4島のどの島に入るにも、国後島・古釜布港でロシア側の入域手続きを取らなければならない。

国後島・古釜布にて入域手続き

 だが、冒頭の美しい景色を愉しんだのはここまで。国後から色丹までの海は大荒れ。4メートル近い波がうねりを繰り返した。教育関係者や学生、通訳、国会議員ら62名を乗せた船は、木の葉のように波にもまれた。食事のみそ汁は飛び跳ね、立って歩くこともままならない

高波に食事の味噌汁が吹き飛んだ

 団員の多くが酔い止め薬を服用していたが、皆、ひどい船酔いに苦しめられた。トイレや洗面台で、悲惨な光景が繰り広げられる。突き上げるような揺れに記者も我慢できなくなり、トイレに駆け込む間もなく紙コップに嘔吐。船室で腹を抱えて苦しんだ。

エチケット袋を取りに行く元気もない

 ふいに揺れが止まり、静寂が広がった。

 8月2日午後7時30分、船は長細い巣穴のような形状をした穴澗(あなま)湾に、逃げ込むように入った。青い顔をした団員に、安堵の色が広がった。

色丹島・穴澗湾と村を俯瞰

 出航から10時間が経過していた。

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「北方領土を歩いてきた」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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