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「財政赤字」のからくりを知ろう

2013年8月20日(火)

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 財政の健全度を表す指標の1つに基礎的財政収支(プライマリーバランス)がある。公共事業や医療、年金給付などの政策にかかる経費を毎年の税収や税外収入でどれだけ賄っているかを示す。バブル崩壊後の景気対策などで1990年代から収支は赤字が続いているが、政府は2015年度に2010年度に比べて赤字を半減し、2020年までに黒字にする目標を掲げている。

 基礎的財政収支は基本的に景気変動に応じて変化するが、財政政策の裁量によっても左右される。そして、景気循環で変動する「循環的要因」と財政政策の裁量で左右される「構造的要因」に分けられ、現実のGDP(国内総生産)が潜在GDPと等しくなれば「循環的要因」がゼロと定義される。つまり、潜在GDPが実現した場合の財政収支が構造的財政収支となる。

 しかし、政府の「経済財政白書」で財政収支の要因分解を見ると、ネット利払い費を除く基礎的財政収支のほとんどが構造的要因となっており、循環的要因よりも構造的要因の方が循環的に動いている。これは、基礎的財政収支をうまく要因分解できていないためだと考えられる。

財政収支の要因分解(経済財政白書)
(出所)内閣府

 ではなぜ、財政収支の要因分解は、現実を表していないのだろうか。それは名目GDP成長率が1%変化したら税収が何%変化するかを示す「税収弾性値」が現実よりも低く想定されているためである。

 「経済財政白書」では、名目GDP成長率に対する税収増加率の比率を示す税収弾性値は0.65~1.75程度とされている。一方、過去の税収弾性値の実績からトレンドを抽出すると、1990年代後半から急上昇し、2012年度は3.3以上あることがわかる。さすがに3.3の税収弾性値が持続可能とは思わないが、政府の想定している税収弾性値は低く見積もられすぎており、基礎的財政収支の要因分解を正しくできていない可能性が高い。

我が国の税収弾性値
(出所)内閣府、財務省

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「「財政赤字」のからくりを知ろう」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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