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真に「グローバル」な企業は、日本に3社しかない

トヨタもマクドナルドも、グローバル企業ではない

2013年8月20日(火)

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 本連載では米ビジネススクールで助教授を務める筆者が、世界の経営学の知見を紹介して行きます。

 さて、最近はとかく「グローバル」という言葉をよく耳にします。メディアでこの言葉を見ない日はありません。「グローバル化」とか「グローバル企業」とか、最近は「グローバル人材」という言葉も流行っています。

 正直、これらの言葉にやや食傷気味の方もいるのではないでしょうか。その理由の1つは、そもそも「グローバル化」とは正確に何を指すのか、「グローバル企業」はどのくらいいるのか、などの基本知識を我々が十分に共有していないからかもしれません。

 実は、近年の世界の経営学では「グローバル企業はほとんど存在しない」という主張がされています。それどころか、これは学者たちのコンセンサスになりつつあると言ってよいかもしれません。今回は、なぜこのような議論が起きているかを紹介しましょう。

そもそもグローバル企業とは?

 そもそもグローバル企業って何なのでしょうか。色々な定義があると思いますが、真にグローバルな企業の条件の1つは、「世界で通用する強みがあり、それを生かして世界中でまんべんなく商売ができている」ことではないでしょうか。

 たとえば優れた商品・サービスを持つ企業であれば、それは世界中で売れるはずです。もちろん国ごとに消費者の好みや商慣習は違いますから、現地に適応することは必要です。とはいえ、商品力・技術力・あるいは人材・ブランドなどが圧倒的に強い世界的企業なら、アジア、北米、欧州を問わず、どこでも成功できるはずです。

 では仮に、世界中でうまく商売できている企業、すなわち「世界中からまんべんなく売り上げを得ている企業」を「真にグローバルな企業」としましょう。このような企業はどのくらいあるのでしょうか。

 この疑問を分析し、近年の国際経営学に大きな影響を与えたのが、米インディアナ大学の重鎮、アラン・ラグマン教授です。彼が2004年に「ジャーナル・オブ・インターナショナル・ビジネス・スタディーズ」(以下、JIBS)に発表した論文は、たいへんな反響を呼びました(カナダ・カルガリー大学のアレン・ヴェルビク教授との共著)。

 この論文でラグマンは、2001年時点でフォーチュン誌ランキングによる世界で最も大きい500社の中から、売上データの内訳がとれる365社を抽出しました。世界の海外直接投資の約9割はこの500社によるもので、その中の365社ですから、主要な「巨大多国籍企業」の大部分をカバーしているといえます。

コメント30件コメント/レビュー

たったの500社だけの調査で全世界の結論を出すことはあまりに信憑性が欠けると感じました。海外直接投資企業が全世界で500社というのはどうにも信じがたい話です。

疑問に思ったらネットに聞けばよく、実際、国内での海外直接投資をしている企業を対象としたアンケート結果というのはネットにたくさん落ちていました。海外直接投資企業がどれだけ多いのかはすぐにわかります。たったの500社で世界を見渡したような論調で書かれるのは遺憾です。せめて「世界的な大企業の中でたったの2%だけがグローバル企業だった」と書いてほしかったです。

中小企業まで含めて統計調査をすれば、条件にあてはまる企業数はどんなに少なくとも100を下らないはずです。全世界で9社しかないと書かれたのは残念です。(2015/11/30 19:32)

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「真に「グローバル」な企業は、日本に3社しかない」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

たったの500社だけの調査で全世界の結論を出すことはあまりに信憑性が欠けると感じました。海外直接投資企業が全世界で500社というのはどうにも信じがたい話です。

疑問に思ったらネットに聞けばよく、実際、国内での海外直接投資をしている企業を対象としたアンケート結果というのはネットにたくさん落ちていました。海外直接投資企業がどれだけ多いのかはすぐにわかります。たったの500社で世界を見渡したような論調で書かれるのは遺憾です。せめて「世界的な大企業の中でたったの2%だけがグローバル企業だった」と書いてほしかったです。

中小企業まで含めて統計調査をすれば、条件にあてはまる企業数はどんなに少なくとも100を下らないはずです。全世界で9社しかないと書かれたのは残念です。(2015/11/30 19:32)

私の理解が悪いのでしょうか。グローバル化していようがいまいが会社経営が順調ならそれでいいのでは?猫も杓子もグローバル化を目指す必要がない、ということだとしか読めなかったのですが…(2014/01/01)

長い抜粋ですが・・・私の主旨は、「グローバル」という言葉を一人歩きさせないで、その意味合いをきちんと整理すること、そして世界各国の企業・経済動向を定量データから客観的に把握することの重要性です。「強い多国籍企業は世界中の市場を支配している」といったイメージもあるかもしれません。世界中の市場でまんべんなく商売を成功させている会社は、現実にはほとんど存在しません。こういった視点からみなさんのビジネスを考え直してみることも、有用ではないでしょうか。・・・・とある通りで、グローバル化の目的・意義・是非・「正しい(唯一無二の)定義」などを説いている訳ではありません。批判的コメントが多いですが、上記主旨に照らして、私には非常に新鮮な内容でした。(2013/08/27)

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三品 和広 神戸大学教授