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「経済財政白書」に明日はあるのか

アベノミクスの中間評価(その6)

2013年8月21日(水)

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 内閣府は、7月23日に2013年版の「経済財政白書」を発表した(全文はこちらで読めます)。この白書に対して、ここ数年「かつてほどは注目されず、輝きを失いつつあるのではないか」という指摘が出ている。私自身も、いくつかのマスコミから同様の指摘を受け、コメントを求められたりした。そこで本稿では、白書の役割とは何なのか、それがどう変化しているのかを私なりに考えてみたい。

私と経済白書

 現在の「経済財政白書」は、2000年までは「経済白書」と呼ばれていた。私は、役人時代に、この経済白書に関係する仕事をかなり長い間務めてきた。経済白書は、調査局の内国調査第1課というところで作成されていたのだが、私は、1969年に経済企画庁に入った時、まずこの課に配属され、しばらくして課長補佐として配属され、さらにしばらくして課長となり、さらに局長も務めた。おそらく現存する日本人の中で、最も経済白書に関係する多様な仕事を長く担当した人間だと思われる。それだけに、私の経済白書に対する思い入れはかなり深い。その経験を踏まえて、かつての経済白書はどうだったのかを振り返ってみよう。「古き良き時代」の話になってしまうがご容赦いただきたい。

 私が課長の頃の経済白書が現在より注目度が高かったことは間違いない。具体的には次のようなことがあった。まず、経済白書が発表されると、全文を掲載した「週刊東洋経済」「エコノミスト」の臨時増刊号が出た。これ以外にも「ESP」という雑誌(現在は廃刊)に全文が掲載されたし、当然政府刊行物としても刊行されるから、これらを全部合わせると10万部程度が全国に流布されたはずだ。

 議論の素材としても頻繁に取り上げられた。前述の雑誌類には、エコノミスト、経済学者の関係論文が掲載され、さらに必ず白書をめぐる座談会が行われた。この座談会には、執筆責任者である課長も出席する。つまり、当時の課長は、1回白書を書くと、最低3回は座談会に呼ばれて、専門家と白書をめぐって議論し、その結果が公開されたということである。

 白書を発表した後には、全国を講演して回った。こうした講演は、局長、課長、課長補佐などが手分けして回るのだが、私が課長の時は、私自身は1回の白書でおそらく20回以上は講演したはずだ。

 こうした状況と比較すると、近年の経済財政白書の注目度が下がっているのは(残念ながら)明らかだと思われる。

経済白書が果たした役割とは

 当時を振り返ってみると、経済白書は次のような役割を果たしていたと考えられる。

 第1は、経済の現状を分析し、国民にその実情を伝えることである。白書では、必ず白書に先立つ1年間の経済の動きを振り返って、その変動要因を分析している。いわゆる景気分析である。さらに、長期的・構造的課題についての分析がこれに続く。

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「「経済財政白書」に明日はあるのか」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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