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内閣府「確度の高い予測は困難」発表の真意とは

「南海トラフ巨大地震」は予知できる!? 地震予知の“最前線”でズバリ聞く(1)

2013年8月21日(水)

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 「南海トラフ大地震の予知は困難」――。新聞・テレビのこんな報道を見て、「ああ、やっぱり無理なのか」とため息をついた人も少なくないだろう。5月28日、内閣府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが発表した最終報告には「現在の科学技術では確度の高い地震予測は困難」と書かれていた。この一文だけが、マスコミで大きく取り上げられたのだが、この発表は本当に「もう地震予知はできませんよ」という意味なのか。“防災の鬼”渡辺実が最先端の地震予知の現場に迫った。

気象庁現業室の全景。まるでSF映画の秘密基地のように巨大なモニターが並んでいる

<ヴーッ! 大地震1が起動しました、大地震1が起動しました、大地震1が起動しました>

 突然の警報音が鳴り響く。自動音声が3回、観測システムの起動を告げると、とらえられたばかりの地震のデータが大画面のディスプレイに次々と表示されていく。すぐに4人の職員がパソコンの前に駆け寄り、黙々と解析を始める――。

 部屋に入った途端の、一瞬の出来事だった。取材を始めようとしていた我らが“防災の鬼”、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏も思わず目を見開いた。『地震予知の取材をしようと思っていたのに、いきなり大地震が起こってしまったのか?』

震度の推計をチェックする気象庁の職員。画面には地震の震源とされるポイント、「震央」のデータが表示されている

 ここは東京・大手町にある、気象庁の地震火山現業室。日本全国で発生した地震や火山活動の情報が、どこよりも早く届けられる。国の防災の最前線となる部屋だ。扉一枚隔てたむこうには、いまやすっかりおなじみとなった緊急地震速報を発信するサーバ群も置かれている。

 「この建物は相当古いから耐震補強工事をやったと聞いているけど、この部屋は何か特別な耐震化をしてるのかな……?」と渡辺氏。気象庁の本庁舎が建てられたのは1964(昭和39)年。一般的なコンクリートの建造物の寿命は50年と言われるが、その一歩手前の49年が過ぎている。移転の話も聞いているが……。ここにもうすぐ、大地震の揺れがやってくるのだろうか――。

 「この部屋だけに特別な耐震補強はしていません。たくさん設置してあるディスプレイなどはきちんと固定していますが……。まあ、ここがダメになっても、大阪管区気象台でバックアップする体制をとっていますから」

 案内役の職員は真顔で答える。え~、ダメなこともあるんですか?

 「たしかに、首都直下の巨大地震が起きたら、ここは一発でダメだからね。バックアップ体制は当然さ」

 しれっとコメントする渡辺氏。だが、防災の鬼の顔にも焦りの色が……。

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「内閣府「確度の高い予測は困難」発表の真意とは」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

水原 央

水原 央(みずはら・よう)

ライター/劇作家

東京大学理学部数学科卒業後、ライター、劇作家、ラジオ・パーソナリティとして活動する変わり種。現在は科学の知識を活かして地震や防災の問題をわかりやすく伝える記事を志し、奮闘中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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