• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

肩書きは要らぬ男たちの奮闘

ペナントレース終盤はリーダーに注目

2013年8月23日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 プロ野球には選手会長や主将という肩書きとは関係のない「チームリーダー」が存在する。その人が打ったり、走ったりするとチームが活気づく。何年かプレーするうちに、自然にそうなったケースが多い。どのような選手が、何をして、その立場にいるのだろうか。

 昨年の日本シリーズ、巨人対日本ハムの第2戦(東京ドーム)で、巨人捕手の阿部慎之助がマウンドへ駆け寄って若手投手、沢村拓一の頭をポカリとやった。

 二塁牽制のサインを見落とした沢村への“お仕置き”だった。体罰とは大違いのユーモラスな行動が笑いを誘った。ファンもチームメートも妥当な行為と認めた笑いだったが、ポカリとやったのが阿部でなかったら、どう受け止められたか。

 阿部は入団13年目の34歳。打線の中心の4番打者、守りの要の捕手という地位を、ここ数年でしっかりと固めた。

 2001年の新人時代からマスクを被ったが、この年のチーム防御率がセ・リーグ最低(4.45)だったのに責任を感じた。勝負強い打撃は認められたが、それに安心せず、以後は捕手として認められることに全力を注いだ。

 体を張った守備、首脳陣や年長の投手にもはっきりと意見を述べる姿勢が信頼を得た。ヒーロー・インタビューでは「最高です」と叫ぶだけの話し下手。だが、体からほとばしる「オレについてこい」という雰囲気が阿部をリーダーに押し上げた。監督の原辰徳も「ウチは慎之助のチーム」と、心技両面で阿部が引っ張っていると認めた。

孤高の鳥谷、リーダーになれず

 成績が良くてもマイペースの職人タイプや、クールな理論派はチームリーダーになれない。

 現役時代の落合博満(ロッテ―中日―巨人―日本ハム)、掛布雅之(阪神)、広岡達朗(巨人)らは“孤高の人”という感じの存在だった。甘い考えの同僚を寄せつけない厳しさからか敬遠された。

 中日の監督になった落合は「チームのためと言わず、自分のためにプレーしろ」と選手に伝えた。鍛えた個の力を束ね、チーム力を高めるのは監督の仕事だという考え。戦力として具体性のないチームリーダーを必要としないというのも、1つの見識だろう。元気だった頃の井端弘和は、立派なチームリーダーだったと思われるが…。

 チームリーダーになれないのか、なろうとしないのかと首をかしげたくなる人物は、どこにでもいる。

 例えば阪神・鳥谷敬だ。入団10年目の32歳で、ユニホームの胸にC(キャプテン)のマークをつけている。だが、チームを活気づけるのは米国帰りの西岡剛(元ロッテ)。少し前までは広島から移籍してきて、昨季限りで引退した金本知憲だった。

 鳥谷の遊撃守備は、内野守備に極めて採点の辛い牛若丸・吉田義男(元阪神監督)が絶賛するほどうまくなった。打者としても四球をよく選び、打率以上の貢献をしている。

 それなのにチームリ-ダーと見られないのはなぜか。ピンチで真っ先にマウンドへ駆け寄って投手に声をかけるのは二塁手の西岡。鳥谷はワンテンポ遅れて向かう。ジタバタするなという思いなのだろうが、熱い阪神ファンにはこれが物足りない。

「「記者席より愛をこめて」」のバックナンバー

一覧

「肩書きは要らぬ男たちの奮闘」の著者

浜田 昭八

浜田 昭八(はまだ・しょうはち)

スポーツライター

アマからプロまで野球一筋半世紀という超ベテランのスポーツライター。現場取材にこだわり続けて、今日も記者席から白球を追う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授