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ブームに乗った案件はほとんど失敗します

クロスボーダーM&A成功の条件(第5回)

2013年8月27日(火)

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 企業のビジネスを巡って日々流れるニュースの中には、今後の企業経営を一変させる大きな潮流が潜んでいる。その可能性を秘めた時事的な話題を毎月1つテーマとして取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちに読み解いていただき、新たなビジネス潮流を導き出してもらう。

 8月のテーマは、日本企業が海外の企業や事業を対象に実施する「クロスボーダーM&A(合併・買収)」。グローバル競争での勝ち残りを目指す日本企業にとって、海外展開を加速する有力な手段として、その重要性は高まっている。だが、これまでの事例では「失敗」と指摘されるものも多い。クロスボーダーM&Aをうまく行って成果を引き出すためのポイントは何か。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客がリレー形式で登場し、持論を披露する。

 4人目の論客として今回から2回にわたって、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の伊藤友則教授に登場していただく。まず今回はこれまで、日本企業に訪れたクロスボーダーM&Aのブームや、その多くが失敗に終わった理由を解説してもらった。

(構成は小林佳代=エディター/ライター)

 過去、日本企業によるクロスボーダーM&A(合併・買収)には3つの波がありました。

 第1の波は1980年代後半のバブルの頃。第2の波が90年代末~2000年代初めにかけてのIT(情報技術)ブームの頃です。第3の波は円高が進んだこの数年です。それぞれの時期に、M&Aの案件数はぐっと増えています。

 第1、第2の波で生まれた案件は、残念なことにほとんどが失敗に終わりました。それに対し、第3の波で生まれた案件では、成功例も増えてきています。過去の失敗を見て、そこから学び、工夫しているケースが多いからです。

失敗を招いた3つの理由

 では、これまで多くの日本企業がクロスボーダーM&Aで失敗したのはなぜなのでしょうか。大きく3つの理由が挙げられると思います。

 第1に「きちんとした戦略性、ビジョンがないこと」、第2に「高値で買ってしまいがちなこと」、第3に「M&A後の経営がうまくできないこと」です。

 1つひとつ、詳しく見ていきましょう。

 失敗の最も大きな要因となっているのが戦略性、ビジョンの欠如です。多くの企業が、何のために、何を狙って、その会社を買収するかというロジックがないまま、波に乗って、M&Aを仕掛けてしまいました。第1、第2の波の時には顕著で、極端に言うと、「隣の会社が買収しているから、自分のところも買収しよう」というケースが多かったと思います。

 バブル時には株価も高騰していましたから、日本企業は自信過剰になっていた面がありました。世界市場を制覇するかのような意識があり、値段に関係なく、ブランド価値のある、“憧れの会社”を買収しようとしました。ソニーの米コロンビア・ピクチャーズ買収、松下電器産業(現パナソニック)の米映画・娯楽大手・MCA買収、三菱地所の米ロックフェラーセンター買収などはみなそれに当てはまります。

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「ブームに乗った案件はほとんど失敗します」の著者

伊藤 友則

伊藤 友則(いとう・とものり)

一橋大学大学院教授

1979年東京大学経済学部卒業、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。84年米ハーバード大学でMBA(経営学修士)を取得。スイス・ユニオン銀行(現・UBS)東京支店長などを経て2012年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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