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次世代リーダーの試金石に「はだしのゲン」を

2013年8月23日(金)

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 原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」が話題になっています。島根県松江市教育委員会が小中学校の図書室で自由に読めなくするよう要請していた問題に対して、各方面から厳しい反応が広がっています。

 作品のどの部分が問題か、注目され続ける理由はどこにあるか。そんな問いを持ちながら、改めてこの作品に触れてみました。そしてその価値を大きく見直しました。

 さて、ほぼ同じころ、カナダの14歳の女の子が人気トーク番組に出演し、饒舌に主張する様子がネット動画でも話題になりました。それを見て、言葉を失いました。感心したと同時に焦りを覚えたのです。

 結論を先に書きましょう。「はだしのゲン」は、今の時代にとって改めて見直されるべき大きな教育的価値を感じます。子どもへの教育という意味ではありません。リーダーになる大人へのテーマとしてです。

 今回は、ビジネス面から見た「はだしのゲン」の現代の新しい役割について、動画を参考にしながら考えてみたいと思います。

 ネット動画はアイデアの宝庫。それでは今週もいってみましょう。

改めてすごかった「はだしのゲン」の存在感

 「はだしのゲン」とはなにか。

 時代は68年前、著者自らの被爆体験が元になったストーリーで、今から40年前に生まれた漫画です。

 繰り返しますが、40年前の作品です。それが今でも全国の書店や図書館に並び、人々の記憶に残り、ある時は名作扱いされ、またある時は問題作扱いされています。

 そんな作品がこの夏、その扱いを巡って再び話題にのぼりました。

 それだけでもまずはその作品の力に感心します。戦争や原爆を描いた作品は数多くありますが、圧倒的な存在感です。

 指摘にあるように、描写は過激ですし、内容に事実ではない部分があると問題視する人もいます。子ども時代に本を読んでショックを受けた人、平和教育の一環としてみんなで一緒に映像を見た経験が今も心の傷として残っているという人もいます。聞けば多くの人が何らかの思い出を口にします。

 いい作品だと感じているものの、何歳くらいで子どもに読ませるのが適切かを気にする親も多いようで、こちらにたくさんのアドバイスがあるので参考にしてもいいかもしれません。(発言小町「『はだしのゲン』を読まれた方」)

 国内だけではありません。この作品、核保有国を含む世界20か国語に翻訳されていると言います。今年はイランの学生がペルシャ語に翻訳をして出版されています。核開発が懸念されている国で核によってどんなことが起きるのかをイメージするのに役立つと、つまり未来の抑止力として読まれているそうです。

 興味深いのは、国内では歴史を顧みるものとして位置づけられているのに対して、海外では、未来のために役立てられようとしている点です。

 非常的に多面的です。こんな作品は滅多にありません。

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「次世代リーダーの試金石に「はだしのゲン」を」の著者

鶴野 充茂

鶴野 充茂(つるの・みつしげ)

ビーンスター株式会社 代表取締役

コミュニケーションの専門家として幅広く活躍。リーダーに効果的な伝え方をアドバイスするほか、全国規模のPRプロジェクトに携わる。著書は30万部超のベストセラー「頭のいい説明すぐできるコツ」など二十数冊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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