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世界の1000人に1人は無国籍

誰もが落ちるかもしれない制度のはざま

2013年8月28日(水)

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 英国ロンドンのヒースロー国際空港。入国審査官を前にして、いつも通りのやり取りが始まる。

審査官:「はい、次の人。え、パスポートを持ってない?なんで?」

:「法律的に国籍がないからです。僕もできることなら欲しいのですが。でも、ほら、この書類がパスポート代わりで、ここにビザもついています」

審査官:「無国籍の人間は結構いるけど、こんな書類、見たこともないぞ。(虫眼鏡でビザを詳しくみながら)でも、このビザは本物だな」

:「数万人もいないんです。しかも、その中でこの『国籍』のまま海外に出ていこうなんて人はほとんどいない。だから見たことはないんでしょう」

無国籍ゆえに「出国拒否」をされたことも

審査官:「でも、あなたは日本で生まれ育ったんでしょう?(冗談ぽい顔をしながら)だったら、総理大臣にお願いして、パスポートを出してもらうべきだな」

:「日本国籍を取ろうとしたらすぐに取れますよ。でも、あなたが便利のために手術して肌の色を変えないように、僕は生まれたままでいたいんです。不便なのは当面はしょうがないと思っています」

審査官:「ちょっと同僚に確認してくるから待ってて。(数分後、戻ってきて)OK、入っていいよ。それにしても、これは初めて見たな」

 イギリスをはじめとする先進国に入るときは、英語が通じるのでこういったやりとりができるから良いのだが、英語の通じない途上国だとそれは幾分と面倒なことになる。今のところ、一度も入国拒否をされたことはないが、去年入ったある国では、担当者の機嫌が悪かったのか、入国拒否ならぬ出国拒否をされたことがある(1時間かけて猛抗議して、なんとか通してもらったが)。

 なぜこんなことになっているのかというと、私が生まれたときの国籍が朝鮮籍で、これは法的に無国籍だからだ。さらにいうと、私がその後、どの国籍も取得していないからだ。

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「世界の1000人に1人は無国籍」の著者

慎 泰俊

慎 泰俊(しん・てじゅん)

投資プロフェッショナル

東京生まれ東京育ち。朝鮮大学校政治経済学部法律学科卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て現在はバイアウトファンドの投資プロフェッショナルとして働く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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