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意外に知られていない改正省エネ法の意義

需要家側のピークカット促進が電力システム改革のカギに

2013年8月30日(金)

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 エネルギー基本計画の議論が本格的に再開し、策定作業は加速しつつある。

 経済産業省は3つの審議会の組織を見直し、7月1日に再編した。その3つの審議会の1つが、エネルギー政策を議論する総合資源エネルギー調査会である。それまで5つあった分科会と11あった部会を、基本政策、省エネルギー・新エネルギー、資源・燃料、電力・ガス事業の4分科会に集約。各分科会・部会の下に設けられた小委員会やワーキンググループなども、68から半分以下の32に整理された。

 これまでエネルギー基本計画は、民主党政権時代には総合部会の基本問題委員会で、昨年末に自民党へと政権交代して以降は総合部会で議論されてきた。今後は、基本政策分科会で議論される。総合部会長も基本問題委員会の委員長も務めてこられた新日鉄住金相談役の三村明夫氏が、この分科会長も務められる。わたしも、引き続き委員として、議論に参加することとなった。

エネルギー基本計画の策定作業が加速

 新組織での第1回会合は7月24日に開催された。この日は、エネルギー需要家からのヒアリングを行った。産業界からは日本経済団体連合会(経団連)と日本商工会議所、生活者からは日本生活協同組合連合会と全国消費者団体連絡会が、それぞれの意見を述べた。

 対照的だったのが、原子力および再生可能エネルギーに対する考え方である。産業界は、「安全が確認された原発は速やかに再稼働すべき」「過度な国民負担を抑えるようFIT(再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度)を早急に見直すべき」という意見だ。一方の生活者は、原発に依存しないエネルギー政策への転換、その代替として再エネの普及を推進するとの考えだ。

 また、電力システム改革、中でも発送電分離に関しても、それぞれの意見は異なる。生活者の2団体は、いずれも積極的な推進を望んでいる。一方の産業界は、あくまでも安定供給と価格抑制に資することが大前提であり、必ずしも積極的とはいえない。特に経団連は、発送電分離に対して後ろ向きで、極めて保守的な印象を受けた。まるで一般電気事業者(電力会社)の意見であるかのようにも感じられたので、そのことを問うたが、「全会員企業による需要家としての総意」との回答だった。

 電力システム改革は、「アベノミクス」の3本目の矢となる成長戦略の重要な柱の1つである。前回も触れたように、茂木敏充経済産業相はもちろんのこと、安倍晋三首相も自ら、積極的に推進することを明確に表明している。そのために不可欠な電気事業法改正案は、先の通常国会(第183常会)では成立目前にもかかわらず、政局の影響で時間切れとなり、廃案になってしまった。だが、今秋の臨時国会に再提出し、速やかに成立させることを、安倍首相も茂木経産相も明言している。

 わたし自身も、これからの日本の成長戦略に、電力システム改革は不可欠であると考えている。産業界にも、ぜひ前向きに取り組んでもらいたい。

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「意外に知られていない改正省エネ法の意義」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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