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消費増税集中点検会合に招かれた多彩すぎる「専門家」たち

霞ヶ関と永田町の低すぎる生産性

2013年9月2日(月)

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 この人たちは一体何をしているのか――。

 消費税引き上げに関し、専門家に意見を聞き、経済状況を検討するための「集中点検会合」なるものが開かれた。始まる前、「消費税率引上げに係る経済状況等の総合的勘案の参考とするため有識者・専門家を招いて集中的に意見をうかがう」と、召集元の内閣府が言うから、誰もが「消費税を本当に上げられる状況かどうか、経済の専門家の意見を聞く」ということかと思った。

 ところが始まってみると、招かれたのは経済学者やエコノミストばかりではなかった。主婦連合会あり、日本経団連あり、子育て支援NPOあり。さらには消費生活相談員協会に、精神医療サバイバー、おんせん県観光誘致協議会、国民健康保険中央会、全国漁業協同組合連合会、全国農業協同組合中央会…と、多士済々の「有識者・専門家」たちである。

 こうなると、純粋に経済学的な分析と議論などになるはずはもちろんない。それぞれがそれぞれの立場、つまり絶対反対の組織と人は反対なりの、引き上げに積極的あるいは容認論者はまたそれなりのご意見を開陳するだけである。

消費税引き上げは法的に決定しているもの

 だがよく考えていただきたい。昨年夏、消費税引き上げ法案が成立したことで、既に消費税引き上げはスケジュールを含め法的に決まっているのである。もちろん、景気条項はあるが、これは「経済成長率、物価動向がかなり悪化しているようなら、その停止を含めて必要な措置を講じる」(第一生命経済研究所の首席エコノミスト、熊野英生氏)というのが法の主旨。それは、政治家も霞ヶ関の官僚もみな知っている。

これがいわゆる「景気条項」

○消費税率の引上げに当たっての措置(附則第18 条)

・消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3%程度かつ実質の経済成長率で2%程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

・この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

 消費税法には「2011年度から2020年度までに実質2%程度の成長を目指す経済に早期に近づける」ともあるから、景気条項は10年間平均でその程度の成長に近づけるのも難しいような状況を指していると、恐らくはみな了解している。

 その足元の景気情勢は今年1~3月期のGDP(国内総生産)成長率が前期比年率3.8%、4~6月期は同2.6%である。法定したことと主旨からすれば、議論すべきはこの経済情勢が「10年平均で実質2%程度の成長ができる経済にするのがとても難しくなるものかどうか」なのだろう。

コメント7件コメント/レビュー

「集中点検会合」のような会議は、先に結論が有って、そこから有識者なる方々の選定をする。その証拠に、60人中の44人が増税に賛成した。選定を変えれば引っくり返るだろう。安倍首相は消費税増税に関する国民への説明時に先の検討会でも圧倒的な賛同を得たことを引用するに違いない。これはよくある話だが今回はなかなか許し難い。それは、野田元首相の成果をリセットし自分の成果にするためのシナリオの一つのように見えるからだ。こんな姑息なことをせずに、キッパリと超金融緩和とセットの政策だと言って欲しいものだ。(元通信システム技術者62歳)(2013/09/02)

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「消費増税集中点検会合に招かれた多彩すぎる「専門家」たち」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「集中点検会合」のような会議は、先に結論が有って、そこから有識者なる方々の選定をする。その証拠に、60人中の44人が増税に賛成した。選定を変えれば引っくり返るだろう。安倍首相は消費税増税に関する国民への説明時に先の検討会でも圧倒的な賛同を得たことを引用するに違いない。これはよくある話だが今回はなかなか許し難い。それは、野田元首相の成果をリセットし自分の成果にするためのシナリオの一つのように見えるからだ。こんな姑息なことをせずに、キッパリと超金融緩和とセットの政策だと言って欲しいものだ。(元通信システム技術者62歳)(2013/09/02)

今から68年前の戦前は、万機公論に決すべしと曰われ、68年前の戦後からは、事を決める、事を決断するに当っては、その事案について実りある検討を経て決定することが金科玉条。輸入もののにわか民主主義啓発にあって、未消化な理解途上、生半可な多数決の原理の根幹とされた。それから68年、もの心つくまでの年齢を差し引いても還暦は過ぎている人間達、たいして進歩していないなぁと思う。寧ろ多数決の弱点を逆手にとり、悪いことばかりを脳裏に溜めて悪知恵発揮が人間の成熟と思い違いしているようだ。掲げる看板は、賢人会議であっても社会保障会議のように、どう、何のための、誰のためが店晒しのままでこの度同工異曲の超賢人会議の消費税増税の時期・幅を問う会議とはリーダーのやる手合ではない。筆者が会議の生産性を問う程のレベルではなく、我々民の世界では、単なる帳面消しと言う。もっとも最新のトレンドにリーダーが決断して後、衆議を問うという手法もあるようだが、輸入ものでない本来の、真の民主主義を日本から発しては如何。まやかしの民主主義をして、つじつま合わせのための基本、憲法を弄ろうなどとはもってのほかだ。人間は必ず死ぬ。これから68年後同じ誹りを受けない確たる為政が望みたい。(2013/09/02)

主婦連を呼んだとの報道を見たとき、「主婦の何が『専門家』なんだ?」と思ったものだ。だいたい、特別会計化する予定もないのに社会保障に使途を特化できるはずもなかろうに。(2013/09/02)

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三品 和広 神戸大学教授