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増税しても堅調な成長は維持できる

景気と消費税について考える

2013年9月4日(水)

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 このところ景気の動きが大注目されている。これには2つの理由がある。1つは、アベノミクスが効果を上げ景気は本当に良くなっているのかという関心が大きいことであり、もう1つは、消費税率を引き上げるだけの経済環境が整っているのかという問題意識が注目されていることだ。そこで本稿では、景気の現状と消費税率の関係について考えてみることにしよう。

景気を見るための3つの道具立て

 エコノミストは誰もが自分なりの景気分析手法を身に付けているのだと思うが、私の場合は、次の3つの道具立てを特に大切にしている。

 第1は、経済統計を読みこなすことだ。しばしば、景気予測は天気予報に例えられるのだが、天気予報と景気予測で決定的に異なる点がある。それは、天気予報をする時に、「今の天気」は誰もが分かるが、景気については「今の景気」は分からないということだ。だからこそ、種々の経済統計を読みこなすことによって、「現在の景気がどんな方向に向かっているのか」を判断していく必要がある。その経済統計の中でも最重要なのがGDP統計なのだが、これについては後述する。

 第2は、経済のロジックを適用することだ。私が常に参照しているロジックは「三段階論」である。例えば、景気が上昇過程に入っていく時を考えよう。景気が好転するきっかけとしては、「海外景気が良くなって、輸出が増え始める」か「政策的なてこ入れ(例えば、公共投資の増加)で需要が増える」かのどちらかしかない。こうした外部からの力で需要が増え、これに伴って生産が増え始めるのが「第1段階」だ。

 生産が回復してくると、企業収益が改善し、稼働率も上がってくるから、企業は設備投資を増やし始める。するとこれが内需の拡大となって景気をさらに押し上げる。これが「第2段階」だ。

 こうして景気拡大が本格化してくると、企業は雇用を増やしたり、ボーナスや賃金を引き上げたりし始める。すると、家計の所得が増えるから消費が拡大する。これが「第3段階」だ。

 もちろん、必ずこうしたパターンになるとは限らないのだが、この標準形を頭に入れておいて、「現段階はどこに位置しているのか」「今回は標準形とどこが違うのか」を考えれば、景気の動きを一応は体系的にフォローできるはずだ。

 第3は、将来予測については、日本経済研究センターが毎月行っている「ESPフォーキャスト調査」を活用することだ。

 この調査は、約40人の第一線エコノミストに今後の経済についてアンケートし、その平均(これを「コンセンサス予測」と呼ぶ)を公表するというものである。概要版は誰でも無料で見ることができる(例えば、最新の8月調査はこちらです)。

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「増税しても堅調な成長は維持できる」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 国際ジャーナリスト、英エコノミスト誌・元編集長