「記者の眼」

世界市場に進撃する日本のお菓子

海外売上高10倍以上を狙うカルビーの野望

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2013年9月4日(水)

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「堂島ロール」から「トッポ」「じゃがビー」まで、日本のお菓子の海外進出ラッシュが起きている。経済発展により中間層の所得が伸びているアジアや、日本食が人気の欧米などで事業展開を加速する。カルビーは現地での材料調達や生産体制の強化で製造コストを引き下げ、手頃な価格を実現。米国やアジアで売上高を大幅に拡大しようとしている。

 愛知県にある年間売上高が約10億円のせんべいメーカー、かとう製菓(愛知県西尾市)は今年6月、「いかの北海揚げ」でイスラム教の戒律に沿っていることを示す「ハラル認証」を取得した。イスラム教で禁じられている豚肉由来の成分やアルコールを使わずに、専用ラインで生産。イスラム教徒を含む外国人観光客向けに日本で販売するだけでなく、マレーシアなど東南アジアに輸出する。ハラル商品専用の工場も新たに建設する計画だ。

 「シンガポールで販売したせんべいは1袋1400円でも飛ぶように売れており、手応えがある。今後は巨大なイスラム市場を本格的に開拓する」。かとう製菓の加藤進会長はこう意気込む。

 中小メーカーも色めき立つほど、日本の菓子メーカーは猛烈な勢いで海外展開を進めている。百貨店などで行列が絶えないロールケーキの「堂島ロール」を製造・販売するモンシェール(大阪市)は、8月29日に韓国ソウル市内の百貨店に2店舗を出店。既に中国の上海、香港などで5店舗を展開しており、アジアを中心に中東や欧州などを含むグローバル展開を目指す。

 ロッテはタイで7月にチョコレート菓子の「トッポ」を製造する工場を新たに稼働させ、ほぼ同じタイミングで「コアラのマーチ」の生産能力も倍増させた。現地生産により9月から一部商品の価格も引き下げて、2014年の東南アジアでの菓子の売上高を2012年比6割増の150億円に高める計画だ。

 森永製菓も9月にインドネシアで現地企業と合弁会社を設立。森永ブランドのキャラメルやソフトキャンディーを発売する。

 なぜ今、日本の菓子メーカーは海外を目指すのか。

 多くの企業の関係者が口を揃えるのが、アジアなど新興国の中間層の所得拡大だ。最近はアジアから日本を訪れる観光客が増加しており、日本のお菓子をお土産に買っていくケースも多い。現地でも日本メーカーのお菓子に興味を持ち、手を伸ばしてくれそうな消費者の層が拡大している。欧米でも日本食人気が高まり、英国では現地資本の回転ずしチェーンで「どら焼き」が売られるなど、市場開拓のチャンスは広がっている。

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