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若者とシニアの雇用を両立する「世代間ワークシェアリング」

2013年9月5日(木)

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 第3回は、日本の未来にとって重要な「若者の雇用」について述べました。雇用の「安定」と「流動化」という一見相反する目的を達成するには、民間と連携した雇用斡旋の仕組みや教育訓練・能力評価機能の強化、就労インセンティブ型の社会保障制度づくり、グローバル化に適応できる人材育成に向けた教育改革や学び直しの強化、再チャレンジを可能とする採用・雇用慣行の見直しを同時並行で進めていく必要があります。

 もう一つ、若者とシニア層の雇用をどう両立させていくか、という観点もあります。人口減少社会において、シニア層の雇用は重要な課題です。日本の男性シニア層の労働参加率は、世界的にみて既に高い水準にありますが、2013年4月に施行された法律により、65歳までの雇用維持が企業に求められるようになりました。

 シニア層の労働参加は、とかく世代間対立の観点から捉えられがちです。典型的には「高齢者の就業率の上昇が、若者の職を奪っている」という議論です。実際、2000年以降の12年間で、60~64歳の男性の就業率は65.1%から71.3%へ大幅に上昇する一方、20~24歳の同じく男性の就業率をみると、65.7%から61.5%へと低下しており、数字上は「シニア層が若者の職を奪った」ように見えます。

 しかし、人口減少社会を前提とする以上、「早めにのんびり、リタイア生活(年金付き)して下さい」という訳にはいきません。むろん個人の選択が尊重されるべきですが、働ける人は全員働くことが社会全体の利益にかないます。問題は、シニア層の雇用対策を企業に半ば強制的に迫るという発想です。もし総人件費を抑制したい意図が企業にあれば、若者の新規採用を抑制してしまうかもしれません。

 今後、本格的な超高齢社会を迎えるのにあたり、シニア層の「就労」促進は、既存企業の「雇用」促進ではなく、地域社会が新しい「就労」機会を創出することを考えていくべきではないでしょうか。具体的には、①保育・子育て、②介護、③教育、④観光などの分野で、地域社会発の新しい「働く場所」を創り出すことが重要です。「雇用を創り出す」というと、無理矢理な印象を持たれるかもしれませんが、実際、地域社会における保育、介護、教育の担い手は不足しており、政府、あるいは地方自治体が民間企業や大学などと協力し、地域社会の人手不足と経験豊かなシニア層の就労促進を同時に解決することは、決して無理なことではありません。

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「若者とシニアの雇用を両立する「世代間ワークシェアリング」」の著者

武田 洋子

武田 洋子(たけだ・ようこ)

三菱総合研究所チーフエコノミスト

日本銀行を経て、2009年4月より三菱総合研究所政策・経済研究センター主任研究員(シニアエコノミスト)、2012年4月より主席研究員(チーフエコノミスト)。内外経済分析を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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