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工場としての中国の魅力が薄れているのは確かです

チャイナリスク再考(第3回)

2013年9月11日(水)

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 企業のビジネスを巡って日々流れるニュースの中には、今後の企業経営を一変させる大きな潮流が潜んでいる。その可能性を秘めた時事的な話題を毎月1つテーマとして取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちに読み解いていただき、新たなビジネス潮流を導き出してもらう。

 9月のテーマは、日本企業が直面する「チャイナリスク」。2012年9月11日に日本政府が尖閣諸島を国有化してから1年。中国国民の間でくすぶり続ける反日感情は、現地に進出している日本企業の事業活動にどのような影響を及ぼしているのか。また、賃金の高騰などによって、「世界の工場」としての中国の位置づけは変わりつつあると言われるが、実態はどうなのか。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客がリレー形式で登場し、持論を披露する。

 今回から2回にわたって、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の菅野寛氏の論考を紹介する。チャイナリスクを「世界の工場」としてのリスク、「巨大成長市場」としてのリスクの2つに分け、それぞれのリスクが高まっている要因や日本企業が考慮すべきポイントなどを指摘していただく。

(構成は小林佳代=エディター/ライター)

 2012年9月11日の尖閣諸島国有化をきっかけとして、日中関係が緊張し、激しい反日デモが繰り広げられた後、「チャイナリスク」は一種の流行語のようになっています。ですが、このチャイナリスクという言葉が表すものは人によってバラバラ。議論の内容もアバウトなものが多いように見受けられます。今回は、言葉そのものを定義しながら、中国ビジネスにおけるリスクを考察していきましょう。

 当然のことですが、ビジネスにリスクはつきものです。リスクを取ってリターンを得るのがビジネス。中国に限らず、どんなビジネスにもリスクはあります。ことさら、チャイナリスクが指摘されるようになったのは、以前に比べ、よりリスキーになったと判断されているためです。

 では、チャイナリスクと言った時、「何に対するリスク」「何に起因するリスク」なのでしょうか。

 何に対するリスクかは、大きく分けて2つあります。

 第1に「世界の工場」として中国が抱えるリスク、第2に「巨大成長市場」としての中国が抱えるリスクです。今回はまず、世界の工場としての中国のリスクを見てみましょう。

 世界の工場としての中国にリスクが指摘されるようになったのは、何が原因でしょうか。

 中国が世界の工場として君臨したのは、安価で豊富な労働力があるからでした。しかし、今では労働力は安価でもなく、豊富でもなくなりつつあります。

 この数年、中国労働者の賃金上昇傾向が続いています。人民元が値上がりしていることも影響し、米ドルベースで見ると、平均賃金はこの10年間に3倍以上に上昇しています。

コメント4件コメント/レビュー

いやいや、日本企業と所属して働く日本国民にとっての中国リスクは、何よりも中国が日本にとっての「敵性国家」であることでしょう。それも日本側からの理由では無く、中国共産党が独裁体制を守るために、「外敵としての日本」が必要だという、あくまでも中国側の理由でです。冷戦時代の米国や日本が、経済的理由だけでソ連に企業進出できましたか?日本の国際政治力学における中国の位置付けは、北朝鮮と五十歩百歩です。筆者がフランス企業について語るならまだしも、現在の中国共産党政権にとって、日本は何よりもまず「敵国」「敵国民」扱いされていることを忘れた議論は意味がありません。(2013/09/11)

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「工場としての中国の魅力が薄れているのは確かです」の著者

菅野 寛

菅野 寛(かんの・ひろし)

一橋大学大学院教授

東京工業大学工学部卒業、同大学院修士課程修了。米カーネギー・メロン大学経営工学修士。日建設計、ボストン・コンサルティング・グループを経て2008年から現職。2012年から研究科長を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いやいや、日本企業と所属して働く日本国民にとっての中国リスクは、何よりも中国が日本にとっての「敵性国家」であることでしょう。それも日本側からの理由では無く、中国共産党が独裁体制を守るために、「外敵としての日本」が必要だという、あくまでも中国側の理由でです。冷戦時代の米国や日本が、経済的理由だけでソ連に企業進出できましたか?日本の国際政治力学における中国の位置付けは、北朝鮮と五十歩百歩です。筆者がフランス企業について語るならまだしも、現在の中国共産党政権にとって、日本は何よりもまず「敵国」「敵国民」扱いされていることを忘れた議論は意味がありません。(2013/09/11)

日常的に暴動を起こすような中国国民は、たとえ人件費が安くても労働力として使えません。ましてや人件費高騰などという状況では中国を工場として使うメリットは大きなマイナスしかありません。さらにパクリ文化は1000年経っても変わらないでしょうから、市場としても中国外しを積極的に進めるべきですね。(2013/09/11)

> 平均賃金はこの10年間に3倍以上に上昇しています。チャイナリスク以前に、高度成長期の日本でも国主導で所得倍増計画をやったことからすると、どの国でもよくあることだと思う。一番の問題はただ安い労働力を求めて、次々とイナゴの大群のように食いつぶしている企業である。最近は中国の人件費が高くなったからと言って、最後のフロンティアなどの謳い文句でアフリカを安く使おうとしている。しかしいくら安く物を作っても買う人がいなければ意味がなく、売れないからさらに安く作ろうという悪循環でしかない。本当のリスクが何かを考えず、目先の利益のみを追求した愚かさが露見しただけではないか?(2013/09/11)

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三品 和広 神戸大学教授