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「夏のボーナス増」は早合点

気になる中小企業の金額は大企業の半分?

2013年9月12日(木)

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 このところ、新聞記事などで「夏のボーナスが大幅に増えた」と説明しているものを時々見かけることがある。これはミスリーディングで、書いた記者は、はっきり言って勉強不足だ。

 これらの記者が根拠としたであろう調査の1つに、経団連が発表する「夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果(加重平均)」がある。最終集計が発表されるタイミングはこれまで毎年7月下旬というのが通例だった。しかし、今年については、理由は不明だが8月7日になって最終集計がようやく公表された。

 そして、出てきた数字(組合員平均の妥結額)は80万9502円(前年同期比プラス4.99%)だった(下グラフ参照)。80万円を超えたのは2008年以来、5年ぶりで、プラス4.99%という増加率はバブル経済が崩壊を始めた1991年(プラス5.27%)以来の大きさである。記者達はこうした結果内容を一般化し、「夏のボーナスは大幅に増えた」と受け止めてしまったのだろうが、これは妥当でない。

夏のボーナス、3つの調査による金額の比較(総平均と製造業のみ)
出所:経団連、日本経済新聞、厚生労働省

調査対象範囲は要チェック

 この手の調査結果については、カバレッジ(調査対象の範囲)をしっかりチェックする必要がある。経団連の調査は、少し考えれば当たり前のことなのだが、大企業のみを対象とする調査で、しかも製造業の比重がきわめて高い。今回の調査結果の場合、集計対象になった132社のうちで、非製造業はわずか17社である。

 また、業種別に集計対象となった社数を見ると、業績好調でボーナスの大幅増が目立った自動車が19社で最も多い。以下、繊維17社、化学13社(硫安含む)、非鉄・金属11社、鉄鋼10社、私鉄10社などとなっている。

 業績の悪化で大手数社が雇用・賃金面のリストラを行っている電機については、わずか6社が集計対象で、前年同期比プラス0.43%という微増。また、福島第一原子力発電所の事故後の業績悪化でボーナスが大幅に削減されている電力は3社が集計対象になっているが、公表資料上に具体的な金額や増減率は記載されていない。

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「「夏のボーナス増」は早合点」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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