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戦争はあってはならない!

シリア攻撃は同国民の命のためなのか?!

2013年9月19日(木)

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 シリア政府が化学兵器を使用したとして、アメリカのオバマ大統領は軍事攻撃の意図を表明しました。これによって中東は、新たな戦争の危機に直面しました。もちろんアメリカは、様々な理由を挙げて、シリアを攻撃しない方向にもっていくと思います。多くの専門家も、「ロシアの反応とイスラエルの安全を考えれば、軍事攻撃をするはずがない」と考えています。

 戦争が起こるか否かに関わらず、シリアが置かれている地政学的な位置と、アメリカをはじめとする自由主義陣営の行動がいかに利己的であるかを理解する必要があるでしょう。後に説明するようにシリアは特異な場所に位置しているため、自由主義陣営は軍事介入を控えていました。そして、内戦の停止に向けて努力するのではなく、反政府勢力に武器を供給し続け、内戦の火に油を注いできた。そして今、米国は、アサド政権が化学兵器を使用したと決めつけ軍事介入しようとしています。

アラブの春がシリアに波及

 シリアで内戦が広がり続け、既に数万人の犠牲者が出ています。しかし、これまで、国際社会が軍事介入することはありませんでした。過去において国際社会は、「人権保護」を理由にいくつかの内戦に介入しています。その嚆矢となったのがコソボでした。NATO(北大西洋条約機構)は、「人権保護」を理由にコソボの内戦に軍事介入しました。この後、国際社会は2011年、リビアの内戦にも「人権保護」を理由に介入しました。なのに、なぜシリアには介入してこなかったのでしょう?

 特に、シリアとバーレーンの状況を比較し、国際社会の反応を批判する専門家が多くいます。サウジアラビアがバーレーンに軍隊を派遣し、反政府勢力を抑圧した時、世界はバーレーンの国民のことを無視したように見えました。今回、アメリカがシリアに対する攻撃の意志を示したのも、シリア国民のためではなく、自らの国益のために軍事攻撃しようとしていると見えます。人権を真に大切にしようとしているのではなく、自分たちの都合によって介入したり、しなかったりしているわけです。

 ここで、シリアが置かれている地政学的な位置と自由主義陣営の利己主義について詳細に見てみましょう。この利己主義の典型例として、かつてアメリカがイラン人に対して行った「人権侵害」を紹介します。

 2010年に、チュニジアを皮切りにして、アラブの国々で次々に自由化の運動が起こりました。「アラブの春」と呼ばれるものです。欧州各国やオスマン帝国による植民時代が終わったあと今日まで、アラブの多くの国は、独裁政権が統治してきました。この独裁制度を転覆するべく、2010年にアラブ民族は立ち上がりました。

 チュニジアやエジプトにおける自由化運動は、外国から干渉を受けることなく成功しました。一方、リビアでは、国連安保理の議決の下、国際社会が軍事介入したことで、カダフィー政権を転覆させることができました。この軍事介入は、「人権侵害」を防止するためだったと言えるでしょう。

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「戦争はあってはならない!」の著者

サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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