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「デジタル製造革命」に乗り遅れるな

日本企業の奮起に期待

2013年9月26日(木)

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 1カ月ほど前の話になるが、NHK BS1の経済番組「Biz+サンデー」にゲストとして出演させていただいた。筆者が出演した8月25日放送回のテーマは「デジタル製造革命」。放送翌日の8月26日に横浜市で開催された「第9回 世界ファブラボ会議」での基調講演のために来日した、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のビット・アンド・アトムズ・センターのニール・ガーシェンフェルド所長へのインタビューを中心に、昨今話題の「デジタルファブリケーション」(デジタルモノ作り)を取り上げたものだった。

 横浜で開催されたイベント名に冠されているファブラボであるが、この言葉を耳にしたことがない読者の方も多いだろう。ファブラボとは、fabrication laboratoryの略称であり、3D(3次元)プリンターやレーザーカッターなど製造機器を備えた実験的市民工房のネットワークのことである。文字通り、大規模な設備が必要だった製造を、実験室レベルにまで落とし込んだものだ。

 ガーシェンフェルド所長は、このファブラボの概念を提唱し、世界中に広めた立役者。かつてコンピューターが巨大で高額なメインフレームからパソコンへとダウンサイズした歴史になぞらえ、いずれ工作機械も工場から個人向けのものへと変遷していくことを早くから予測しており、その現場検証のためにファブラボを設立したという。

 MITで始まったファブラボ設立の動きは、瞬く間に世界中へと広がった。今や世界50カ国以上に200を超えるファブラボが存在するまでに至った。まさに、草の根的にから製造革命が始まっているといえる。

 もちろん、ファブラボは日本にも存在する。2011年に国内初のファブラボとして、FabLab Kamakura(神奈川県鎌倉市)とFabLab Tsukuba(茨城県つくば市)が開設。その後も、東京都渋谷区や大阪市、仙台市、横浜市などにも設立され合計6拠点に拡大している。興味がある読者の方は足を運んではいかがだろうか。

日本にもチャンスが

 世界中に広がるファブラボ。この動きに呼応するように、米国ではバラク・オバマ大統領が先頭に立って、製造イノベーションを国家戦略として推進していることはたびたび報道されている。この流れは「モノ作り大国」である日本にとっても復権する大きなチャンスになると考えている。

 そもそも、モノ作りとは個人(開発者)のアイデアから始まるもの。個人が作りたいと感じたものを作り、周囲にそれを欲しい人(消費者)がいれば提供することで製造業が成り立つ。消費者のニーズが高ければ少しずつ製造を増していくというスタイルが、やがて規模の追求や経済合理性の考えの下、大規模な投資による工場での大量生産に結びついていった。これが、製造業の進化の歴史と言える。

 もはや説明するまでもないが、筆者自身が1984年から約22年間在籍していたソニーも、もともとは小さな町工場からスタートしている。筆者が入社当時に会長を務めていた盛田さん(故・盛田昭夫氏)は、「(ソニーは)井深さん(故・井深大氏)の夢を実現するための職人集団」とよく口にされていた。まさに個人のアイデアからモノ作りが始まっていたわけだ。

 やがて、力をつけた日本の製造業は、性能と品質の両面において世界一の製品を生み出し続けるまでに成長した。1990年代半ばまでは、「made in Japan」の輝ける繁栄の時代が続いていた。

 20世紀の時代に、日本企業が築き上げたスタイルは、すべてを自社でまかなう「垂直統合型」の製造業。しかし、このスタイルは、1990年代半ば以降のデジタル化やパーソナル化の流れ、そしてインターネットの普及によって過去のものとなり急激に競争力を失っていった。

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「「デジタル製造革命」に乗り遅れるな」の著者

辻野 晃一郎

辻野 晃一郎(つじの・こういちろう)

アレックス代表取締役社長兼CEO

ソニーでパソコンやデジタルテレビ、ホームビデオ、パーソナルオーディオなどのカンパニープレジデントを歴任。2007年にグーグルに入社、日本法人の代表取締役社長を務める。2010年4月にアレックスを創業。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト