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組織の知を高めるには、「タバコ部屋」が欠かせない

「トランザクティブ・メモリー」の有用性

2013年10月1日(火)

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 この連載では、先月まで米ビジネススクールで助教授を務めていた筆者が、世界の経営学の知見を紹介していきます。この連載は月1回ペースで書いているのですが、筆者の日本帰国(早稲田大学ビジネススクールへ移籍)のため、9月中はこのコラムを配信できませんでした。失礼しました。

 さて、私は昨年『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)という本を刊行したのですが、その中で特に大きな反響をいただいたのが、組織パフォーマンスの向上に重要な「トランザクティブ・メモリー」を紹介した章でした。

大事なのは「情報の共有化」ではない

 トランザクティブ・メモリーは、世界の組織学習研究ではきわめて重要なコンセプトと位置づけられています。その要点は、組織の学習効果・パフォーマンスを高めるために大事なのは、「組織のメンバー全員が同じことを知っている」ことではなく、「組織のメンバーが『ほかのメンバーの誰が何を知っているのか』を知っておくことである」というものです。英語で言えば、組織に必要なのはWhatではなく、Who knows what である、ということです。

 よくビジネス誌などで「情報の共有化」という言葉が使われます。そして多くの方は、情報の共有化とは、組織のメンバー全員が同じことを知っていることである、と認識されているはずです。

 しかし考えてみてください。ひと1人の知識のキャパシティーには限界があります。それなのに全員が同じことを覚えていては、効率が悪いはずです。組織の本来の強みとは、メンバー1人ひとりが、マーケティングの人なら商品の知識、 開発者なら技術の知識、法務の人は法律の知識、 ある営業は顧客Aの知識、別の営業は顧客Bの知識と、それぞれの専門知識をもって、それを組織として組み合わせることにあるはずです。

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「組織の知を高めるには、「タバコ部屋」が欠かせない」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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