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「新興国売り」は収まったか

怖いのは米国金利より中国経済

2013年10月1日(火)

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 9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において量的緩和縮小が見送られ、完全に肩透かしを食らった市場は米連邦準備理事会(FRB)の心中が読めないまま足踏み状態を続けている。一方でそれを干天の慈雨と見たのは、急落した通貨の戻りに安堵した、インドやトルコ、ブラジルなどの新興国であった。

 5月の議会証言でバーナンキFRB議長が緩和縮小への見通しを示したのをきっかけに、長期金利が上昇してドル高地合いが強まる中、新興国から米国への資金回帰との読みでファンダメンタルズに不安が残る新興国の通貨が一斉に売られていたからだ。

 この新興国問題は、日本にとって無視できない側面がある。証券投資においては、投信などを通じてかなりの個人資金が新興国に投じられている。また海外企業の多くは新興国に拠点を構えており、新たな販売先として新興国に依存する輸出企業も増加中である。リーマン危機からちょうど5年を迎えたこの時期に、内外メディアに新興国危機という言葉が躍るのを見るのはあまり気分の良いものではない。

「BIITS」5カ国は特に激しい下落率

 5月以降、特に厳しい下落率となったのはブラジル、インド、インドネシア、トルコ、南アフリカといった国々であった。市場ではこの5カ国を「BIITS」と呼んでいる。新興国が「BRICS」と呼ばれて持てはやされていた頃と、まさに正反対の売りムードである。

 先月、FRBが縮小開始を先送りしたことで新興国市場には買戻しが入り、急落した国債や株式などもやや落ち着きを見せ始めている。だがその静けさが長続きするかどうかは、新興国の専門家の間でも意見が分かれるところである。

 市場には新興国への逆張り投資を勧める向きもあるが、新興国の抱える経常赤字や対外債務、国内信用過熱、資源への過剰依存といった諸問題が表面化したことで、海外の機関投資家などは当面は様子見との姿勢を見せるところが大勢のようだ。米国の量的緩和縮小時期はいずれ到来すると見て、さらなる売却を検討する投資家もいるだろう。

 新興国売りとなれば、誰もが1990年代のメキシコのテキーラ・ショック、アジア通貨危機、ブラジル危機、ロシア危機といった一連の信用不安を思い出す。そのきっかけとなったのも、当時の米国の金融政策変更であった。FRBが引き締めに動けば新興国から資本が流出して経済が打撃を受ける、というのは市場の一つの定番的な捉え方である。

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「「新興国売り」は収まったか」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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