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イラン人は「詩」を愛してる!

言葉が通じなくても、心が通じ得るでしょう

2013年10月3日(木)

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 イランの有名な詩人、ジャラール・ウッディーン・ルーミーが12世紀にこんな詩を詠みました。「インド人とトルコ人は話が通じやすいかもしれない。トルコ人の2人は話しが一切通じないかもしれない。だから、親密の言語というものも存在するんだ。言語が通じるより、心が通じることの方が大事だ」と。今日の世界に多くの問題が起きているのは、人間が「心」を忘れたからではないでしょうか。

 すべての生き物の中で、言葉で会話をするだけでなく、自分の意図を表す「文字」まで発明したのは人間だけです。この「文字」のおかげで、古代の人間の経験が後生に伝わり、文明や文化が生まれました。

 世界各国の人々は文化の面で若干異なる面があっても、共通するところもたくさんあるのです。共通するものの中でも、「詩」は特に価値のあるものでしょう。詩は一般の文章に比べて覚えやすいので、宗教上の教えや伝説などを広げるために使われるようになりました。

 イランは「詩の国」と呼ばれます。イランに今残っている最古の詩を書いたのは、紀元前13世紀にゾロアスター教を開祖した「ザラスシュトラ」だと言われます。ゾロアスター教の啓典、古代「アヴェスター」は数多くの戦争の中で失われてしまいましたが、幸いなことに、その一部である「ガーサー」は現在に残っています。「ガーサー」は、詩の形で詠まれました。ザラスシュトラ以降も、イラン人は詩を愛し続け、イラン文学はたくさんの詩で構成されています。

イラン人は詩と共に生き、詩と共に死にます。イラン人のお墓にも普通に詩を彫ります。(撮影:アフシン・ワリネジャッド)

 多くのイラン人が詩を愛しています。家を持っている者は必ずコーランと詩集を置いている、と言われるほどです。時代の流れの中で詩の形は変わってきました。しかし、詩に対する愛情は変わりません。高齢者はクラシックな詩を読んで楽しむ。若者は新しいスタイルの詩を読んで楽しむ。さらに、今日のイランでは、「俳句」のスタイルを使ってペルシャ語の詩を詠む詩人が増えつつあります。

イランという国を「詩」が守った

 8世紀末に成立した「サーマーン朝」が、ペルシャ語で詠まれる詩に繁栄のきっかけを与えました。7世紀にムスリム軍がイランを占領。生き残ったイラン王族がトランスオツアナ地域に移民しました。その後、彼らも仕方なくイスラム教を受け入れましたが、自分たちのアイデンティティであった「イラン民族」とペルシャ語は諦めませんでした。そして8世紀末にアラブ系による支配から独立し、サーマーン朝を開いたのです。

 サーマーン朝時代の代表作はシャー・ナーメです。フェルドゥスィーが詠んだシャー・ナーメは、ペルシャ人にとって詩集以上の存在で、自身を証明するものだと言っても過言ではありません。

 シャー・ナーメには2つの特徴があります。

 まず、ほとんどペルシャ語しか使われていません。100年以上にわたってアラブ人に支配されたにもかかわらず、ペルシャ語を復活できたのはこの詩集があったからこそです。

 そして、もっと大事なのは、この詩集が古代イランの伝説を綺麗な詩の形で記録していたことです。シャー・ナーメという言葉の意味は「王様の話」です。

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「イラン人は「詩」を愛してる!」の著者

サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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