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勝率5割に満たなくても、広島の日本一なるか

「下克上賛歌」のCSがいよいよ開幕

2013年10月4日(金)

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 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)が12日から始まる。

 セパ両リーグのペナントレースで3位までに入ったチームが、日本シリーズ出場を賭けて改めて戦う。「優勝しなければ2位も最下位も同じ敗者」というかつての考えに、変化が見えた。敗者に復活のチャンスが与えられ、日程消化になりがちだった終盤戦に活気が出た。

 その一方で、やり直しの利かない戦いにこそ妙味があり、長いレギュラーシーズン(RS)の成果がかすんでしまうという考えもある。パ・リーグは2004年から、セ・リーグは3年遅れて2007年から始まった現行のシステム。様々な問題はあるが、今や秋の人気行事になった。この先、どのように発展するのか、それとも修正されるのか。

 CS制を最大限に生かし、劇的に日本一になったのは、2010年の「下剋上」ロッテだった。

 RSはソフトバンク、西武に次いで3位。だが、3戦2勝方式のCSファーストステージで西武に連勝。1位チームに1勝のアドバンテージが与えられている6戦4勝方式のファイナルステージでも4勝2敗(アドバンテージを加えると4勝3敗)で勝った。さらに、セのチャンピオン中日と対戦した日本シリーズも4勝2敗1分けで制した。

 RS3位のチームが日本一になったのは、このときのロッテだけ。その足取りは綱渡りだった。

 西武との2戦はともに延長11回、1点差の勝利だった。ソフトバンクには第1戦で勝ったが2、3戦で連敗。相手のアドバンテージ1勝を加えて実質的には1勝3敗。あと1つも負けられないところから3連勝した。CSはRS上位チームの本拠地で開催するが、ロッテは全試合を敵地へ乗り込んで戦ったのだ。

 収まらないのはRSを1位で終えたソフトバンクの関係者とファンである。「144試合の長丁場を戦った結果が尊重されず、CSに備えて調子を上げたチームが有利になる」と不満の声を上げた。

 これに対してCS容認派は「一度の敗退で切って捨てず、再度チャンスを与えるとドラマが生まれ、興行的にもメリットがある。それに、RS1位には2008年から1勝のアドバンテージが与えられ、長丁場の栄誉に報いている」と反論した。

 ソフトバンクはダイエー最終年の2004年にもRSを1位通過したが、2位西武にCSで敗れた。さらに、ソフトバンク初年の2005年も1位通過したが、2位ロッテにCSで敗れた。

 「短期決戦に弱いソフトバンク」という不名誉な印象が定着しそうになり、これに反発する空気が「1勝のアドバンテージ」の制度を生んだ。セ・リーグCS実施初年の2007年に1位巨人が2位中日に敗れたことも、1勝アドバンテージを後押しした。

 敗者復活のドラマは錯覚も呼ぶ。その典型が「下剋上」ロッテだった。

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「勝率5割に満たなくても、広島の日本一なるか」の著者

浜田 昭八

浜田 昭八(はまだ・しょうはち)

スポーツライター

アマからプロまで野球一筋半世紀という超ベテランのスポーツライター。現場取材にこだわり続けて、今日も記者席から白球を追う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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