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富士重、大躍進の秘密は発想法にあった

「欠点の議論はやめ、強みに集中する」

2013年10月3日(木)

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 国内最小の自動車メーカー、富士重工業。かつては経営危機が隣合わせの不安定で“ひ弱な”存在だったが、いまは違う。「スバル」ブランドの乗用車が好調で、空前の好業績を叩き出している。

 2013年3月期決算は、世界販売台数に売上高、営業利益で過去最高を更新した。株価も上場以来の最高値を更新。辛口の証券アナリストをして、当面の好業績に太鼓判を押すほどだ。

 売上高の約8割を海外で稼ぎ、国内生産が約8割を占める富士重は、超円高の是正が大きくプラスに働く。加えて、主力市場の北米が復調している。ただし、目先の環境変化が現在の好業績を導いたわけではなく、10年近く前から続けてきた地道な社内改革の賜物であることは、本誌9月16日号の企業研究「富士重工業 常識の真逆を行く」でご紹介した。

 社内改革の結果、行き着いたビジネスモデルは、大手自動車メーカーとは真逆だ。

 トヨタ自動車や日産自動車などは、国内では絶好調の軽自動車を強化し、新興国ではコンパクトカーを中心に市場を開拓している。一方、富士重は軽自動車生産から撤退。コンパクトカーにも手出しをしないと決めた。限られた経営資源は、走行性能や安全性に重きを置いた大きめのクルマに集中投下する。重点市場はあくまで先進国。新興国は富裕層に絞る。

  スバルらしいと言われるクルマ作りには、かねて熱狂的なファンが存在する。世界で独ポルシェと富士重しか搭載していない「水平対向エンジン」と四輪駆動を組み合わせ、ラインナップの大半が多目的スポーツ車(SUV)という独自路線。「スバルらしさが好業績の要因」と言われることも珍しくない。富士重の吉永泰之社長も「スバルらしさ」が好業績の背景にあると認める。

 この「らしさ」という言葉は、技術志向の強い企業を形容する際に使われることが多い。例えば、「ホンダらしさ」や「ソニーらしさ」といった具合だ。業績が上向けば、「○○らしい商品だから」と言われ、新商品が芳しくないと「○○らしさが感じられない」と言われる。

 富士重の場合、水平対向エンジンや四輪駆動をもって「スバルらしい」と言われるが、吉永社長はこの指摘を真っ向から否定する。「それは機能であって、スバルらしさとは違う。機能なんてどうでもいいんです」。

 ではスバルらしさとは何なのか。富士重の社内改革がぶれずに進んできた背景には、スバルらしさを社員たちに再認識させるための、発想の転換と経営努力があった。

 世界の自動車メーカーの中でも規模が小さく、国内では最小の富士重。販売台数はトヨタ自動車の10分の1に満たず、今なお国内生産が大半を占める同社の生き方には、多くの日本企業にとっての生き残りのヒントが隠されている。

 富士重がたどり着いた道を、吉永社長の言葉から紐解いてみたい。

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「富士重、大躍進の秘密は発想法にあった」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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