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“共食い”辞さぬケンタッキーの空揚げ店

狭小商圏をめぐる新たな競争

2013年10月4日(金)

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 厚めの雲が覆うぐずついた天気の中、ダイエー碑文谷店(東京都目黒区)の1階の一角に小さな新型店がオープンした。10月1日に開いたその店の名は「KFC鶏から亭」。日本ケンタッキー・フライド・チキンが運営する、持ち帰り用の空揚げ専門店だ。

10月1日に開業した日本ケンタッキー・フライド・チキンの新型店舗1号店

 店舗面積は約32平方メートル。ケンタッキーの標準的な店舗の4分の1程度で、客席はない。販売するのは100グラム270円の空揚げ4種類と、ケンタッキーの定番商品「オリジナルチキン」(1ピース240円)など数種類だけだ。

 和風の味つけを意識したためか、販売カウンターにかかるのれんは深い緑色。ただ看板やのれんには「KFC」という文字や、ケンタッキーの創始者カーネル・サンダースの顔などを印刷し、ケンタッキーの関連店であることをアピールしている。

「いつもコンビニで買う」

 開店時の列に加わっていた近隣住民の矢野健治さん(23)は、4種類の空揚げをすべて購入した。このうち、味つけがケンタッキーのオリジナルチキンと同じという「秘伝スパイス」を口にすると、「濃い目のしっかりした味で、確かにケンタッキーのあの味が感じられる」と感想を述べた。

 同店の近くには、歩いて10~15分程度の場所の駅近くに、ケンタッキーの通常の店舗がある。だが、矢野さんはもう長いことケンタッキーは利用していないという。

 「ファストフードならマクドナルドに行く。揚げ物が食べたいと思う時もあるが、いつも近くのコンビニエンスストアで買う。わざわざケンタッキーまで足を伸ばそうとは思わない」と話す。

鶏の揚げ物はもっぱらコンビニエンスストアで買うという矢野健治さん

 今回の新型店舗で、ケンタッキーが取り込みを目指すのはまさに矢野さんのような客だ。「フライドチキン」の代名詞とも言える高い知名度とブランド力を持つケンタッキーだが、フランチャイズ店の売り上げを含む、同事業のチェーン売上高は2013年3月期に前期比3.5%減の1114億円と3期連続の減収。チェーン全体の1店当たりの平均売上高も2013年8月まで11カ月連続で前年同月を下回っており、苦戦が続いている。

 その大きな要因の1つが、コンビニエンスストアとの競合激化だ。

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「“共食い”辞さぬケンタッキーの空揚げ店」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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