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消費増税決定、次は成長戦略に全力投球を

2013年10月8日(火)

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 10月1日、消費税増税が予定どおり実行されることが決定されました。経済成長の基盤として、「財政の持続性」は欠かせません。消費増税の実行は、経済再生と財政健全化の両立を実現させるという政府の強い決意表明として評価できます。日本は、財政への信認を背景に、いよいよ成長戦略を実行に移す環境が整ったと言えるでしょう。

 安倍晋三首相は、増税の経済影響などを考慮し、設備投資減税を含む5兆円規模の経済対策を12月に策定することや、現在法人税に上乗せしている「復興特別法人税」の1年前倒し廃止も検討すると表明しました。企業の税負担が軽減されることで中長期の収益期待が改善し、設備投資が増加すれば、消費税増税後の一時的な経済の落ち込みは避けられないにしても、2014年度後半にかけて、日本経済は再び成長軌道へ戻っていくことが期待されます。

 しかし、現時点では残念ながら、アベノミクスによって企業の余剰資金が設備投資や雇用・賃金へと本格的に回り始めたとは言えない状況です。2013年4~6月期の設備投資は6四半期ぶりに前期比でプラスに転じたものの、水準ではリーマンショック前対比で87%程度にとどまっています。1人当たりの雇用者報酬も、ほぼ横ばい圏内で推移しています。一方、日本企業の現預金は2013年4~6月期には220兆円へと拡大(前年比6.6%増加)し、企業は決して手元資金がないために設備投資ができない、という状態ではないことが分かります。

 このため、法人税減税によって、わずかに企業のキャッシュが上積みされたところで、大きな成長促進効果を見込むことは難しいかも知れません。さらに、日本企業の7割は赤字法人であることから、そもそも減税メリットを享受できる企業はごくわずかであり、こうした面からも、減税効果を疑問視する意見があることも確かです。

 しかし、少し発想を変えれば、やはり法人税改革に期待をかけることはできます。仮に日本の法人実効税率が他のアジア諸国並みに低くなったとしたら、――すなわち異次元の改革が行われたら――日本経済に向けられる海外からの直接投資資金が増加する可能性は十分ありえます(ただし、法人実効税率引き下げには、租税特別措置の見直しと課税ベースの拡大も合わせて議論する必要があると思います)。海外からの資本は、新しいビジネスとともに、新しい人材やアイデアをもたらすでしょう。これは日本企業にとっても新しいビジネス・チャンスが生まれることを意味します。結果として、競争は激化するかも知れませんが、この後議論するように、消費者目線では必ずしも悪いこととは限らないのです。

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「消費増税決定、次は成長戦略に全力投球を」の著者

武田 洋子

武田 洋子(たけだ・ようこ)

三菱総合研究所チーフエコノミスト

日本銀行を経て、2009年4月より三菱総合研究所政策・経済研究センター主任研究員(シニアエコノミスト)、2012年4月より主席研究員(チーフエコノミスト)。内外経済分析を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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