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「福島第一原発神社」で人々の意識を原発へ

愛知、瀬戸内海、ベネチア アートを巡る旅

2013年10月8日(火)

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 名古屋市の愛知芸術文化センターを訪れると、少々センセーショナルな展示に心を奪われる。美術館や劇場からなる複合施設である同センターは、愛知県で開催中の現代アートの芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」の主会場の1つ。8階に入っている愛知県美術館の展示室の一角を、2011年3月に起きた福島第一原子力発電所事故に由来する作品が占めているのだ。出品したのは、建築家の宮本佳明(かつひろ)。建築評論家の五十嵐太郎が芸術監督を務めるこの芸術祭は、美術家だけでなく建築家の参加も多い。

宮本佳明「福島第一原発神社」(「あいちトリエンナーレ2013」出品作)

「福島第一さかえ原発」という作品も

 展示室に入ってすぐのスペースに設置された宮本の「福島第一原発神社」は、「会津・漆の芸術祭」などにも出品された2012年の作品。福島第一原子力発電所の4つの建屋の模型をそれぞれ和風の屋根で覆ったものだ。この驚くべき表現はパロディーや単純な批判ではない。日本人の心に特殊な存在感を宿しているだろう神社を模した外観が、常に人々の意識を原発に向かわせる。人々の心を覚醒させる仕掛けなのである。

 近くには、「福島第一さかえ原発」と題された別の模型作品があった。「さかえ」は同センターが立つ名古屋市の繁華街「栄」に由来する。この芸術祭に参加するにあたって宮本が気づいたのは、福島原発の建屋の1つが同センターにすっぽり収まる大きさだったことだ。模型の周囲には、同センターの建物と原発の建屋を重ねて描いた建築用の図面が多く貼られていた。

宮本佳明「福島第一さかえ原発」(「あいちトリエンナーレ2013」出品作)

 宮本の仕掛けは、美術館の中だけにとどまらなかった。地上12階建ての同センターには、地下2階から10階までの巨大な吹き抜け空間の壁などに色付きのテープ状のカッティングシートが張り巡らされている。原発の大きさを来場者に実感してもらうために、宮本が原子炉格納容器の断面線などを実物大にして貼ったものだという。

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「「福島第一原発神社」で人々の意識を原発へ」の著者

小川 敦生

小川 敦生(おがわ・あつお)

多摩美術大学美術学部芸術学科教授

日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社後、日経アート編集長や同社編集委員を経て、日本経済新聞社文化部へ。美術担当記者として多くの記事を執筆。2012年4月から現職。専門は美術ジャーナリズム論。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長