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「150年企業」ノキアが描く復活シナリオ

エロップ前CEOの巨額“退職金”に国民は怒り心頭

2013年10月11日(金)

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 フィンランドの国民が、ノキアの前CEO(最高経営責任者)のスティーブン・エロップ氏に怒っている。

 ノキアは9月3日、かつて世界最大規模を誇った携帯電話事業を米マイクロソフトに54億4000万ユーロ(約7190億円)で売却することを発表した。それに伴い、エロップ氏は携帯電話事業の部門長に“降格”したのだが、売却後はマイクロソフトに幹部として招き入れられ、しかも、退任予定のスティーブ・バルマーCEOの後継者になると目されている。

ノキアの携帯電話事業売却の記者会見で話す、スティーブン・エロップ前CEO

 さらに、マイクロソフトへの事業売却が完了した際には、1880万ユーロ(約25億円)もの“退職金”を受け取る契約になっており、その70%をマイクロソフトが負担するという。ノキアの携帯電話事業を再建できなかったにもかかわらず、古巣のマイクロソフトからこれほどの厚遇を受けることを聞けば、「エロップ氏はノキアCEOとして、本当にノキアのために経営してきたのか」との疑いの目を向けたくなる気持ちもわかる。

過去3年で時価総額が2兆円以上減る

 エロップ氏が受け取る高額の退職金の妥当性には、疑問を投げかける声が多い。フィンランドの首相は苦言を呈し、エロップ氏の後を引き継いで暫定CEOに就任したノキアのリスト・シラスマ会長も「ミスだった」と認めるほどだ。しかし、退職金の問題はさておき、このタイミングでコア事業だった携帯電話事業を売却するエロップ氏の決断力は、高く評価されるべきものだと思う。

 ノキアを取り巻く事業環境は、エロップ氏がCEOに就任してからの3年間で一段と厳しさを増した。

 エロップ氏がCEOに就任した当時、まだノキアは市場でそれなりの存在感を示していた。米調査会社ガートナーによると、2010年第2四半期の携帯電話の市場シェアは、ノキアが34.2%でトップに立ち、2位のサムスン電子(20.1%)や7位のアップル(2.7%)を大きく引き離していた。スマートフォンの基本ソフト(OS)別でも、ノキアの「シンビアン」が41.2%だったのに対し、カナダのRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー」が18.2%、米グーグルの「アンドロイド」が17.2%、米アップルの「iOS」は14.2%だった。シェアだけを見れば、戦略次第ではノキアの携帯電話事業は復活の可能性があるように見えた。

 だが、直近の2013年第2四半期では、ノキアの凋落ぶりがはっきりと分かる。携帯電話のシェアではサムスンが24.7%で首位、ノキアは大きく遅れて14%の2位に後退。アップルは3位で7.3%だ。さらに、スマホに限ったシェアでは、サムスンが31.7%と他社を圧倒し、アップルが14.2%でそれに続く。ノキアはトップ5にも入っていない。

 このシェアの変化が示すものは、3年間で携帯電話市場の主戦場が、ノキアが得意としてきた従来型の携帯電話ではなく、スマホに完全に移ったという事実だ。ノキアはそのトレンドに最後まで乗れず、その間に時価総額は約6割減り、金額にして約220億ドル(約2兆2000億円、2013年8月末時点)を失って、結局、スマホ事業部を売却せざるを得なくなった。

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「「150年企業」ノキアが描く復活シナリオ」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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