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“アジアの先進国”に勝機あり

外国人投資家の未来予想図が示す日本復活の条件

2013年10月11日(金)

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 今週は世界経済の将来について各国の要人たちが集まって話し合う会合が相次いで開かれています。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や環太平洋経済連携協定(TPP)首脳会合に続き、昨日から今日にかけてワシントンで開かれている20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の行方も気になります。「G5」「G7」が主導した時代は過去のものとなり、今は新興国や小国の声に先進国が耳を傾けないと、世界の経済は回らなくなっているほどグローバル化は進んでいます。

世界から日本を見よ

 このコラムが始まって2回目となる今回の“授業”では、こうした世界経済の変化を過去から現在まで長期的に捉えた上で、これからの展望を導き出してみようと思います。つまりそれは、「世界から日本を見る」と何が見えてくるのか、という視点です。

 これは第1回目の授業で考察した外国人投資家の目線でもあります。彼らが長期的な展望の中で、今の日本をどうとらえ、投資先としてどのように位置づけているのかについても、考えてみようと思います。

外国人投資家が考える「発展、成熟、衰退」

 私が数多く出会ってきた外国人投資家の間で、投資について議論するときによく引用される書物があります。歴史的名著の1つと高い評価を受けている、エドワード・ギボン著の『ローマ帝国衰亡史』です。

 この本が描き出しているのは、「国家は発展した後に衰退していく」という“歴史の必然”です。人類の歴史を経済の面で紐解くと、ローマ帝国以来、人類社会は「発展段階」と、その後に続く「成熟局面」を経て、最終的には「衰退局面」に向かっていく、という歴史を繰り返しているというのです。

 外国人投資家の多くは、この歴史の流れを重視して、どこに、どのように投資すればいいかを考えています。ギボンが記したように、発展から衰退までのプロセスを、一国の成り立ちで考えれば相当な時間を要するわけですが、外国人投資家は、この流れをある地域の景気循環に当てはめて応用することが多いのです。

 例えば、ある地域の景気の流れが発展段階にある時には、「株式」への投資を中心にポートフォリオを組みます。その後、景気が成熟局面に入ってくると、今度は「債券」を中心とするポートフォリオに組み替えるのです。そして、景気の衰退局面を迎えると、そこに投資してきた資産を直ちに売却しようとします。

 もちろん、この間、ほかの投資先にも当然、目を配っています。経済の次の中心となる地域がほかにどこにあるのかを探し、それぞれの地域の経済の循環段階を見極めて、資産を配分し直していくのです。

 これらは、「投資の3原則」と言われる「資産分散」、「地域・通貨分散」、そして最も大切な「時間分散」を実行しているとも言えます。歴史家の中には、「『投資の3原則』こそが、過去の人類の歴史を作り上げてきた」と唱える人もいるほどです。

 ちなみに、『リスク:神々への反逆』(ピーター・L・バーンスタイン著、日本経済新聞社刊)という本には、今から400年以上前にシェークスピアが書いた『ヴェニスの商人』に、主人公の貿易商人アントーニオが、この投資の3原則を使って自分のビジネスを説明していることが紹介されています。

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「“アジアの先進国”に勝機あり」の著者

池上 浩一

池上 浩一(いけがみ・こういち)

野村ホールディングス・オフィサー

野村証券で法人開発部長、IR室長、広報部長兼宣伝部長を歴任。2006年から現職。2011年1月から名古屋大学客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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