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必要なのは英語達者ではなく、新しい思考様式を持つ人と組織

グローバル化の誤解を正す(第3回)

2013年10月17日(木)

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 企業のビジネスを巡って日々流れるニュースの中には、今後の企業経営を一変させる大きな潮流が潜んでいる。その可能性を秘めた時事的な話題を毎月1つテーマとして取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちに読み解いていただき、新たなビジネス潮流を導き出してもらう。

 10月のテーマは「グローバル化の誤解を正す」。多くの日本企業がいま、少子高齢化による人口の減少などで縮小し続ける国内市場に安住せず、海外市場に打って出て成長の機会をとらえようとしている。そのために、グローバル人材育成など「グローバル」と銘打った様々な施策に取り組んでいるが、中にはグローバル化の本質を見誤り、成果を上げられていないケースも少なくないようだ。

 そこで真に求められるグローバル化とはどのようなものなのか。そのために本当に取り組むべき施策は何か。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客に、リレー形式で登場し、持論を披露してもらう。

 今回に登場するのは、一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)のジェスパー・エドマン専任講師(アシスタント・プロフェッサー)。ストックホルム商科大学欧州日本研究所の東京事務所ディレクターなどを歴任し、ドイツ証券の東京支店で証券アナリストとしても働く知日派の研究者だ。同氏は、日本企業に特有の問題点を指摘しながら、日本企業が真にグローバル企業になるために必要な取り組みを解説する。

(構成は中野目純一=日経ビジネス副編集長)

 楽天やファーストリテイリングが英語の社内公用語化を実施して、グローバル化するためには英語を話す人が不可欠という、ともすれば誤解を招きかねない見方が広がっているようです。

 確かに英語を話せることが必要ですが、グローバル化するために最も必要なのはグローバルな思考様式(マインドセット)を持つ人を増やすことです。

 日本企業に限らず、ほかの国の企業にも言えることですが、グローバル化するためには、「我々は日本企業である」という認識から脱却して、「我々は日本企業ではない。グローバル企業である」という認識を持たなければなりません。日本的な特色は維持しても、「日本の企業である」という意識は捨て去らなければならない。

インドでの学習経験を生かしたGE

 日本企業にとっては、日本企業であるという認識から脱却することは、日本企業の特徴とされる効率性の追求に偏重した姿勢を改めることにもつながるので、その点でも重要でしょう。

 今日のグローバル競争では、効率性を追求して高い品質の製品を低価格で提供できるようにすることだけでは勝ち抜けません。イノベーションを起こし続けることが必要です。このイノベーションを起こすためには海外市場を実際に見て、学習することが求められます。

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)を例に取って説明しましょう。彼らはインドに進出して、そこで医療機器を販売しようとしました。そしてインドの市場に合わせて携帯式の超音波診断器を開発したのです。さらに、この携帯式の超音波診断器を米国やほかの国の市場でも販売するようになりました。

 米P&Gもここ日本で同様のイノベーションを起こしています。日本の市場ニーズに応じてスキンケアクリームの「SKⅡ」を開発し、それをほかの国でも販売しています。

 このようにグローバル企業として競争していくためには、世界の異なる市場から学び、それをイノベーションに結びつける学習能力を身につけることが求められます。

コメント4件コメント/レビュー

いわゆる日本企業に働く日本人には『日本企業に限らず、ほかの国の企業にも言えることですが、グローバル化するためには、「我々は日本企業である」という認識から脱却して、「我々は日本企業ではない。グローバル企業である』という認識を持たなければなりません。」というJ. エドマンさんの正論(日経ビジネスOn Line2013年10月17日)は感情的に受け入れがたいかもしれません。明治維新以降、「国家=企業=個人」という価値観を刷り込まれ、且つこれによって世界第二位の経済規模となる成功体験を持った人々には理解しがたい事でしょうし、既得権の侵害と感じられます。日本で株主主権がなかなか浸透しないのも、株主は投資家として儲かるならどこの国の企業にも投資する「国家=企業=個人」の概念に反する存在だからでしょう。グローバル企業の中には、本社を持ち株会社制にして企業を国家から切り離し、トランスナショナル化を目指す企業も有りますが、「国家≠企業≠個人」という感覚を持つグローバル経営のプロフェッショナルの育成が課題です。(2013/10/24)

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「必要なのは英語達者ではなく、新しい思考様式を持つ人と組織」の著者

J・エドマン

J・エドマン(じぇすぱー・えどまん)

一橋大学大学院専任講師

ストックホルム商科大学の欧州日本研究所の研究員と東京事務所ディレクターを経て、現職に就任。ドイツ証券の東京支店で証券アナリストとしても働く。ストックホルム商科大でPh.D.(国際ビジネス)を取得。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いわゆる日本企業に働く日本人には『日本企業に限らず、ほかの国の企業にも言えることですが、グローバル化するためには、「我々は日本企業である」という認識から脱却して、「我々は日本企業ではない。グローバル企業である』という認識を持たなければなりません。」というJ. エドマンさんの正論(日経ビジネスOn Line2013年10月17日)は感情的に受け入れがたいかもしれません。明治維新以降、「国家=企業=個人」という価値観を刷り込まれ、且つこれによって世界第二位の経済規模となる成功体験を持った人々には理解しがたい事でしょうし、既得権の侵害と感じられます。日本で株主主権がなかなか浸透しないのも、株主は投資家として儲かるならどこの国の企業にも投資する「国家=企業=個人」の概念に反する存在だからでしょう。グローバル企業の中には、本社を持ち株会社制にして企業を国家から切り離し、トランスナショナル化を目指す企業も有りますが、「国家≠企業≠個人」という感覚を持つグローバル経営のプロフェッショナルの育成が課題です。(2013/10/24)

英語達者な人に「英語だけしかできないレッテルを張る習慣」は、今までは「英語すらできない人たちのコンプレックス解消」には有効だったと思います。ほとんどの日本人は「倍返し」ができない性格でしたから、組織内での小競り合いが人生に大きな意味を持っていた時代は、子供じみた「レッテル張りごっこ」をしている余裕もあったのでしょう。最近のグローバル化で「倍返し」ができる人も増える傾向になるのかもしれませんが、残念ながら、これからは「倍返し」が幼稚と見なされる時代です。これからは「倍返し」しているようでは、個人も組織も生き残れません。グローバル化とは、内弁慶型の優秀な人と他流試合で結果を出せる人の違いを明確にする変化ですが、人材の使い方が上手な組織と下手な組織の違いを暴いていく変化でもあります。優秀は人材は人材を活用できない組織を相手にしなくなる一方で、優秀でない(と自覚している)人材ほど、そんな組織にしか活路を見出せない状態になります。筆者の立場なら「英語の公用語化を推し進める日本企業」の外国人社員にアクセスできるでしょう。上手に関係を築いて、そんな組織内で何が行っているか、彼ら・彼女らの立場の本音の意見をとりあえず100人から聞いてみると、それだけで面白いことが見えてきますよ。(日本で10年以上働いている外人)(2013/10/18)

父親の海外赴任に伴う長期海外生活を数回経験したものの見解です。著者の述べられる通り、日本企業にはイノベーションを育めるような環境が少なく、リスクを伴う判断のできる経営者に欠けています。イノベーションを育む環境の形成には硬直した日本特有の会社組織から脱却することが求められます。そのためには広い視野で物事を考えアクションを起こすことのできる優秀な外国人を活用するダイバーシティーへの積極的な取り組みが必要です。ここで重要なのは「優秀な外国人」の活用であり、よくありがちな「単に日本語の堪能な外国人」の活用ではありません。さらに日本法人海外事務所が起用する日本人と日本人を含む現地採用スタッフの二本立て人事制度の廃止こそが同じ土俵で社員を競争させ、経営力を強化させる鍵です。単に日本型経営を海外事務所で実践し、現地スタッフを日本から赴任したスタッフより低い基準で採用すれば、海外事務所は植民地の機能を果たすだけに終わってしまいます。最後に、経営者やリーダーにアウトサイダーを登用することでしがらみに囚われず、客観的な観点で経営判断のできる人材活用の可能性が広がります。終身雇用や年功序列制度はグローバルビジネスの足かせになり、思考停止を招く一方です。雇用の流動化、ダイバーシティー、高度なコミュニケーション能力、フレキシビリテイ、think outside the box、イノベーション、各地域の消費者が求める商品やサービスの提供がグローバル化には不可欠な要素と言えるでしょう。(2013/10/17)

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