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車載用電池、日本勢の強さの秘密

半導体、液晶、薄型テレビが歩んだ道をリチウムイオン電池も進むのか(中)

2013年10月17日(木)

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 前回の本コラムでは、「シェア1位を奪われた原因はコストではなく慢心――半導体、液晶、薄型テレビが歩んだ道をリチウムイオン電池も進むのか(上)」と題し、民生用リチウムイオン電池で日本企業のシェアが低下した原因を分析した。今回はその中編として、実用化が進む車載用2次電池市場における日本企業の強さについて考えてみたい。

 車載用2次電池の研究開発が突然活発になった背景は、2013年7月4日の本コラム「ホンダの自前主義は人を育てる」や8月8日の「企業戦略に振り回される技術者」で一部紹介した。それぞれの記事では、ホンダの動向に焦点を当てて記述した。今回は客観的かつグローバルな視点でどのような変遷だったかを振り返りながら紹介したい。

自動車と電池、二人三脚で成長

 1990年9月のカリフォルニア州で発効したゼロ・エミッション自動車(ZEV:Zero Emission Vehicle)規制によって、1998 年から電気自動車(EV)の販売義務が課せられたことは以前のコラムでも述べた。その際、自動車業界に激震が走ったのは説明するまでもないが、具体的な自動車メーカーの対応は日米で大きな温度差があった。

 ゼネラル・モーターズとフォード・モーター、クライスラーの米国ビッグ3の対応は「業界にとってはとんでもない規制」として、ロビー活動の下、カリフォルニア大気資源局に規制への反対活動と撤回の働きかけを行っていた。

 一方、ホンダやトヨタ自動車、日産自動車といった日本勢は、「社会的背景に照らせば避けては通れない。カリフォルニア州の環境改善に大きく貢献できるならばEVの開発は企業の大命題」として、各社が電池やモーターの研究開発、そして電気自動車の開発に待ったなしで着手したのだった。

 こうした日米自動車メーカーの差は、現在、自動車の電動化システムと最終製品で日本が圧倒的な強さを持つ結果につながった。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、EV、燃料電池車のあらゆる領域で先端技術が開発され、研究開発からビジネスまで総じて日本が世界をリードしている。

 世界に先行して各種の商品を市場に供給してきた実績は、電動化技術の開発に大いにフィードバックされている。環境の違う国や地域がありユーザーの使い方もバラバラだが、商品技術としてのスペックに数多くのノウハウが反映されている。事実、日本の自動車メーカーは、電池をはじめとする各種部品の要求スペックが世界で最も高い。

 それに応えられている部品メーカーはやはり日本勢。車載用電池で日本勢が強みを発揮しているのは、世界の最先端を走っている日本の自動車メーカーと一心同体となった電池技術の開発が日進月歩で行われているからにほかならない。

 1997年の初代EVが日本の先進電池を搭載して市場に供給されて以降、16年が経過した。常に先頭を走る電動化技術にリンクして車載用電池の開発とビジネスが進んでいる。この構図が続く限り、日本の電池産業は強みを維持できるだろう。

コメント2件コメント/レビュー

日本の自動車会社はリコールも含め問題が有った時に痛い目に会う事を良く知っているから、そして、米国(特にベンチャー)も韓国も気質的に「やったもん勝ち」「問題は起こった後に対処する」という所があるのだと思います。日本は逆に「石橋を叩きすぎて出遅れる」「心配性で引っ込める」所があると思います。まあ、それでなくても大量に電池のセルを使うと個々では低い故障・問題発生率でも全体での問題発生率が高い。大電力を使う自動車での充放電コントロールと効率的に使う為の直列配置。今の自動車と同レベルに扱えるようにするには相当の困難が予想される。その意味で「車載用では決して主流にはならない」の当時の判断も「制御システムを含めた統合技術で確保する」も正解。しかし、言い訳の理由に「日本メーカが開発しているから」「サンプルより役員への押し」「ハードルが高い日本メーカーではなく、より低い欧米メーカーと協業するのが得策ではないか」辺りが判断根拠としての知見・ノウハウに自信・主体性の無さ、などの韓国らしさを感じる。(2013/10/17)

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「車載用電池、日本勢の強さの秘密」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本の自動車会社はリコールも含め問題が有った時に痛い目に会う事を良く知っているから、そして、米国(特にベンチャー)も韓国も気質的に「やったもん勝ち」「問題は起こった後に対処する」という所があるのだと思います。日本は逆に「石橋を叩きすぎて出遅れる」「心配性で引っ込める」所があると思います。まあ、それでなくても大量に電池のセルを使うと個々では低い故障・問題発生率でも全体での問題発生率が高い。大電力を使う自動車での充放電コントロールと効率的に使う為の直列配置。今の自動車と同レベルに扱えるようにするには相当の困難が予想される。その意味で「車載用では決して主流にはならない」の当時の判断も「制御システムを含めた統合技術で確保する」も正解。しかし、言い訳の理由に「日本メーカが開発しているから」「サンプルより役員への押し」「ハードルが高い日本メーカーではなく、より低い欧米メーカーと協業するのが得策ではないか」辺りが判断根拠としての知見・ノウハウに自信・主体性の無さ、などの韓国らしさを感じる。(2013/10/17)

りん酸鉄系と比較対象になった正極材が、具体的に明示されていないので、惜しいところで肝要を把握できない印象です。諸事情があるのでしょうが。(2013/10/17)

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