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日本は政策論議もガラパゴス化?

「駆け込み」の反動減まで防ぐ必要はあるのか

2013年10月23日(水)

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 毎回同じような書き出しで恐縮だが、私は大学院で「経済政策論」を講じている。この講義では、なるべく最新の出来事を素材にしているのだが、その際には、単にその出来事を解説したり、賛否を論じたりするだけではなく、その中から浮かび上がってくる経済政策上の重要な論点を取り上げ、できるだけ基本的な経済の論理に沿った議論が行われるよう心がけている。

 最近の講義では、10月1日に安倍総理が表明した、5%から8%への消費税率の引き上げと、5兆円の経済対策という経済政策の組み合わせを取り上げた。

 最初に、事実を確認しておこう。安倍総理は、10月1日の記者会見で、「経済成長と財政健全化は両立しうる」と述べた上で、「現行5%の消費税率を14年4月から8%に引き上げる」ことと「12月に5兆円規模の経済対策を決定する」ことを明らかにした。そして、同日の閣議で「消費税率及び地方消費税率の引き上げとそれに伴う対応について」を決定し、公共事業の増加、低所得者への現金給付、住宅購入者への現金給付、復興特別法人税の1年前倒し廃止などの措置が決定された。

 これについて、講義で私が取り上げた論点は次のようなものである。

論点1 経済成長と財政健全化の両立について

 安倍総理は会見で「経済成長と財政健全化は両立可能だ」と強調している。この台詞はその後も折に触れて総理が口にしているので、総理がこの点をかなり重要視していることが伺われる。

 さてこのメッセージなのだが、私は最初目にした時違和感があった。「何だかしっくりしないな」と思ったのだが、どうしてしっくりしないのかは分からなかった。その後、「大学院の講義でこの違和感をどう説明しようか」としつこく考え続けた結果、その理由が分かってきた。それは次のようなことである。

 そもそも経済政策の最終的な目標は、「国民福祉の向上」である。これは誰も否定しないだろう。そこでこれを経済政策の「究極目標」としよう。では、そのためにはどのような経済を実現すべきか。それは「(持続的な範囲での)できるだけ高い経済成長」「物価の安定」「雇用の安定」の3つだというのが私の考えだ。この3つさえ実現していれば、経済パフォーマンスとして文句はないと思う。そこでこれを経済政策の「最終目標」としよう。

 さて、ここまでの議論で登場しなかった重要な政策目標がたくさんある。財政健全化、規制緩和、金利(政策金利)などである。これらは、最終目標を達成するためのステップだと位置づけられる。そこでこれらを経済政策の「中間目標」としよう。これらの中間目標は、それ自身を実現することが目標ではない。悪化した財政を放置しておくと、持続的な成長が損なわれたり、物価の安定が脅かされたりする可能性がある。そんなことになれば、究極目標である国民の福祉は大きく損なわれる。だから財政健全化が必要なのである。

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「日本は政策論議もガラパゴス化?」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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