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ペルシア語とアラビア語はこう違う

イランの書道の魅力とその背景

2013年10月24日(木)

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 ペルシア語とアラビア語はどちらも右から左へと読んでいきます。そして、どちらも、ほぼ同じ文字で書かれています。しかし、全く同じ文字というわけではありません。これは日本語と中国語の関係に似ているでしょう。どちらも漢字で書かれており、その違いを知らない人は区別できません。

イランではシェキャステ・ナスタアリーク体と呼ばれる書体が書道や書簡で多く用いられている。曲線美や線の緩急を強調しているのが特徴(提出:ペデラム・キャラムベイギー)

 ペルシア語で使う文字もアラビア語で使う文字も、どちらも「アラム文字」を基に作られました。この2つの文字は数千年にわたって互いに影響を与えたつつ、今日に至っています。

 歴史を振り返ると、古代ペルシア人は新しい文字を受け入れることに抵抗感がありませんでした。書きやすい文字に出会うとそれを自分の言語に合わせて、取り入れてきたのです。例えば、エラム人が作った「楔形文字」を使う時期、アラム人が作った「アラム文字」を使う時期、ギリシア人が作った「ギリシア文字」を使う時期などがありました。

 イラン人は3世紀、ゾロアスター教の根本教典である「アヴェスター」を書くために、アラム文字を基に、43の文字からなる「パフラヴィー文字」を発明しました。当時のペルシア語が「パフラヴィー方言」と呼ばれいたことから、文字にもこの名前が付けられました。

 しかし、633年にイスラム教徒のアラブ人がイランを征服。これ以降、イランの正式的な言語としてアラビア語が使われるようになりました。当時、アラブ人は「クーフィー体」という文字を使っていました。彼らはコーランもこの文字を使って書きました。この字も元々アラム文字から発明されたものです。

 8世紀までに続く200年の占領の間に、イラン人も自分たちの文書をクーフィー体で書くようになりました。しかし、そもそもペルシア語とアラビア語は異なるので、ペルシア語をクーフィー体で表すことはかなり難しい作業でした。そこでイラン人は、クーフィー体を徐々に変え、ペルシア語に適応させていきました。自分たち言語を文字に合わせるのではなく、文字を変更して言語に適応させました。

母音や子音を新たに加える

 最終的に14世紀、イラン人はクーフィー体とパフラヴィー文字を元に、現在も使われている文字の原型を生み出しました。アラブ人による長い占領の影響で、現代ペルシア語は多くのアラビア語の言葉――50%に上ると言われている――を使っています。イランとアラブ諸国で使われる文字が一見したところ区別できない理由は、こうした歴史があるからです。

 イラン人は次のようにクーフィー体を変えていきました。まず、クーフィー体にはない「点」とか「母音」を表す文字を作り出しました。そして、これらを元に、「ナスタアリーク体」を発明しました。ナスタアリーク体はイスラム文字の「嫁」と呼ばれるぐらい奇麗で、それを使った書道はイランの美術を代表するものになっています。

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「ペルシア語とアラビア語はこう違う」の著者

サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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