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「涙の出ないタマネギ」誕生は偶然の産物?

イグノーベル賞から見るイノベーションの生み方

2013年10月23日(水)

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 「これまでタマネギに泣かされてきたすべての人にこの賞を贈ります」

 2013年9月12日に、米ハーバード大学サンダーズシアターで開催されたイグノーベル賞の授賞式。「タマネギを切った際に涙が出る原因となる新たな酵素の発見」によって化学賞を受賞したハウス食品グループ本社の中央研究所研究主幹、今井真介氏の演説に観客は拍手喝さいを送った。

ハウス食品グループ本社中央研究所の基盤技術開発部長・柘植信昭氏(写真左)と基盤技術開発部研究主幹・今井真介氏(写真右)

 そもそもイグノーベル賞(Ig Nobel Prize)とは、ノーベル賞のパロディーとして、「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に対して贈られるもの。科学ユーモア雑誌「Annals of Improbable Research」の編集者マーク・エイブラハムズ氏が1991年に創設し、今年で23回目を迎える歴史ある賞だ。受賞式には本家ノーベル賞受賞者も多数参加し、脚光の当たりにくい分野の地道な研究に人々の注目を集めさせる役割を担っている。

 授賞式は毎年10月に開催。受賞者の出席費用などは自費で、スピーチには“笑い”が求められる。しかも、スピーチが長くなるとミス・スウィーティー・プーと呼ばれる進行役の少女が「飽き飽きするわ!」などと叫んで邪魔をする仕掛けもある。授賞式が一種のショーになっているのだ。

 日本人の受賞者は2012年までに17組に上り、1997年にはバンダイの「たまごっち」開発者が経済学賞を、2002年にはタカラ(現タカラトミー)の「バウリンガル」開発者が平和賞を受賞している。

 今年は、帝京大学などの研究グループが、心臓移植をしたマウスにオペラの「椿姫」を聴かせたところ、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも拒絶反応が抑えられたという研究成果で医学賞を受賞。冒頭の演説で会場を沸かせたハウス食品の今井氏らの化学賞と合わせ、2部門を日本勢が制した。日本人による受賞は7年連続。イグノーベル賞は、日本人の“十八番”とも言える。

 今回、今井氏らが受賞した化学賞の対象は、2002年にイギリスの科学雑誌「Nature」に発表した「タマネギの催涙因子生成酵素の発見」の功績。タマネギを切った際に出る催涙成分を作り出す酵素の存在を初めて突き止めたことが評価された。

 だがこの研究は、ほかの研究から派生したいわば“おまけ”の研究だ。本来の研究目的は、タマネギとニンニクを混ぜたときに起こる変色問題の解決だった。

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「「涙の出ないタマネギ」誕生は偶然の産物?」の著者

森岡 大地

森岡 大地(もりおか・たいち)

日経トレンディ記者

2006年、日経トレンディ記者、2013年、日経ビジネス記者、2014年に日経トレンディ記者。“イクメン”を目指し、仕事との両立に奮闘中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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