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科学者の研究も3分の1は「恣意的」という衝撃

徹底した情報公開が「改ざん」予防のカギ

2013年10月24日(木)

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 折しもノーベル賞の季節、先週発売されたThe Economistの巻頭記事は多くの人に驚きをもたらした。科学分野の論文における実証研究(データとその統計学的な分析)のうち3分の1は再現性がないというのだ。さらに、あるバイオ技術企業の研究者らが調べたところによると、癌研究分野において画期的とされる53の論文のうち、その実証結果を再現できたのはたった6つだけだったという。

 お隣の韓国では、2005年に黄禹錫(ファン・ウソク)ソウル大学教授による論文捏造事件が発覚し、世間に衝撃を与えた。これは、同氏が捏造を知られる以前にメディアに相当数出演し、有名人となっていたことにより世間の注目を大々的に集めたわけだが、データの恣意的な利用や捏造については、私たちが予想しているよりも多いのかもしれない。

 こういった事象は、形は違えどビジネスの世界にも似たような形で存在しているので、今回はそれについて書いてみよう。

ビジネスでもデータを恣意的に使う人はいる

 まず、Economistの記事を読んで私が感じたのは、ビジネスの世界にも似たようなこと、すなわちデータの恣意的な利用をする人がいるということだ。

 コンサルティングファームでも、(科学的に厳密ではないとはいえ)仮説をまずは設定して、それを検証するためにデータを集めるという手法をとるわけだが、データの収集の段階において、仮説を無理にでも正しいと見せようとして、都合のよい事例ばかりを持ってきてしまう場合がある。例えば、クライアントが「東南アジアで我が社の電気自動車が売れるのかリサーチしてほしい」といったことについて、全体のトレンドについては追わず、特殊事例の新聞記事だけを集めるといった具合なことが時に起こる。

 投資銀行においても、投資対象となる企業の価値評価をする際に用いる同業他社比較において、恣意的に価格が高い企業を外してしまうことがある(もちろん、明らかな同業他社を外したりはせず、同業と呼べるかどうかギリギリのところでそういったことが起きる)。そうすることによって、平均や中央値をとるとより低い価格評価結果がでるので、企業に投資をする人々にとって都合が良いためだ。

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「科学者の研究も3分の1は「恣意的」という衝撃」の著者

慎 泰俊

慎 泰俊(しん・てじゅん)

投資プロフェッショナル

東京生まれ東京育ち。朝鮮大学校政治経済学部法律学科卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て現在はバイアウトファンドの投資プロフェッショナルとして働く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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