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外国人と共存するために大切なこと

野村のリーマン事業継承から学ぶ極意(アジア編)

2013年10月25日(金)

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 国際金融市場を震撼させた、あのリーマンショックから5年が経過しました。この間、アジアを中心とする新興国が力を増し、欧米の先進国だけでは世界経済の方向性は定まらなくなりました。その中、アジアの主要国でありながら、先進国でもある我が日本は、デフレという固有の病に悩まされ続けました。

 その日本が今、昨年末に発足した安倍晋三政権によるアベノミクスによって変わろうとしています。その総評はまだ先に譲るとして、グローバル化の進展が避けられない日本の政策判断の是非を見極める上で、私はこのコラムの1回目と2回目を通して、外国人投資家の受け止め方を注視することの重要性をお話ししてきました。

 3回目となる今回の“授業”のテーマは、グローバル化に必須の条件である「外国人との共存・共栄」のあり方についてです。日本人が、本当の意味で外国人とうまく付き合っていけるのかどうか、海外の人たちは「自分のこと」として見守っているのです。

 皆さんもご存じのように、私ども野村グループはリーマンショック時、米リーマン・ブラザーズの欧州や中東、アジア部門の事業を継承して、多くの仲間を受け入れました。その経験をお話しすることは、皆さんのお役に立てると思います。

従業員の半分近くが外国人

 旧リーマン・ブラザーズのアジアとヨーロッパで働く仲間を受け入れたこともあり、現在、野村グループは全世界で約2万8000人が働いています。そして、国籍を見ると、日本人が若干多いとはいうものの、ほぼ半分近くを外国人が占めています。

 その中で、今回紹介するのは、20以上の言語を持ち、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒が共存する国、インドの事例です。野村グループの中で、インド人の比率は12%にも上ります。

 旧リーマンから多くの仲間を受け入れた翌年2009年の春、私はインドのムンバイ近郊のポワイにあるオフィスで働く3000名を超える仲間たちへの社員研修で、講師の依頼を受けました。

 それまでも、IR室長や広報部長として外国人研修の講師の経験があった私は、野村グループの現状と戦略を説明したIR関係の資料を中心に研修用の教材を作成してインドの人事部にメールで送り、事前にテレビ会議でその内容の確認をしました。

野村と日本の歴史を知りたがるインド人

 ところが、インドの人事部長が返してきた言葉は意外でした。

 「このような資料はインターネットで見ることができるのです。私たちが研修で知りたいのは、まずは、野村グループの創業者がどのような夢を持って会社を始めたのか。その後、野村の歴史はどうだったのか、そして日本の歴史を知りたいのです」

 その時、私は本当に驚きました。グローバルな社会で働く人たちが、野村グループのグローバル企業としての現状と今後だけではなく、むしろ、野村の、そして日本の過去の歴史に関心があるということを知らされたからです。

インドの従業員からは野村グループや日本の歴史など予想外の質問が飛び出す

 私は教材を作り直しました。歴史については、野村グループが明治維新直後に大阪の両替商としてスタートしたので、まずは明治維新のことを説明するところから始めました。そして、その後、創業者の野村徳七がどのような夢を持って野村証券という会社を設立したかを中心にして、21世紀の野村グループに至るまでの歴史を説明したのです。

 インドの人たちに創業者の野村徳七を理解してもらうために、どのような工夫をしたらよいのかを私は必死に考え、入社時に創業者の映画を見たことを思い出しました。そして、幸運にも、その英語版を見つけだして、研修に役立ちそうな場面を4分程度に編集してインドに持参しました。

 この時の研修では、「19世紀から20世紀にかけて、数多くのアジア諸国が植民地化してしまった中で、日本だけが先進国になれた理由は何か」とか、「日本文化で池上さんが誇りに思っているものを教えて欲しい」など、全く予想していなかった質問をたくさん受けて、個人的にも大変勉強になりました。

 その後、私はインドの人事部の採用活動にも協力するようになりました。そして、私は毎年、広大なインド国内を回りながら、各地の大学院で講義をしてます。今年も11月中旬にインドに赴く予定で、社員研修や大学院での講義で、インドの熱い人たちと触れ合うことを楽しみにしています。

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「外国人と共存するために大切なこと」の著者

池上 浩一

池上 浩一(いけがみ・こういち)

野村ホールディングス・オフィサー

野村証券で法人開発部長、IR室長、広報部長兼宣伝部長を歴任。2006年から現職。2011年1月から名古屋大学客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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