• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ニッポンのコメ作りに、成長戦略は向かない

「産業」と「生業」を切り分けよ

2013年10月24日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 夏まで青々としていた水田が、実りの季節を迎えている。風が吹くと稲穂が揺れて、まるで黄金色の海だ。ブルー・オーシャンならぬ、ゴールデン・オーシャンの様相である。遠くの方では老夫婦が仲良く畦道を歩いて家路を急ぐ。まさに「美しい国ニッポン」を感じる一瞬である。この素晴らしい風景はなんとか後世に伝えていきたいものだ。

コメの面積当たりの生産効率は悪い

 さて、今回は日本の農業、中でも本丸のコメ作りのビジネスについて考える。

 日本の農地の約54%は、稲作に使われている。しかし、コメが食料生産に占める割合は24%程度でしかない。コメは面積当たりの生産効率が悪く、農作物平均の約5分の1でしかない。かくして、コメをたくさん作るには、たくさんの農地が必要となる。

 さて、コメはこのように非効率なのになぜ作り続けられるのか。

 そこには、極めて合理的な理由がある。

コメ作りは人手がかからない

 まず、コメ作りは人手がかからない。たとえば、イチゴ農家の年間労働時間が約2000時間であるのに対して、コメ農家は半分以下の900時間ほどだ。しかも、繁忙期が4月、5月、9月に集中しており、ほかの季節はほかの仕事ができる(だから兼業可能なのだ)。

 しかもコメ作りはハイテク機械化が進んでいる。トラクター、耕耘機、田植機、動力散布機のほか、草刈機、コンバイン、乾燥機などいろいろな機械が使える。ここまで機械化が進んだ作物は、コメ以外に見られない。この点で、コメ作りは石油との相性が非常にいい。「石油一滴、コメ一粒」かどうかはきちんと計算しないと分からないが、コメは石油なしでは作れない。日本のコメ農家の仕事の内実は、コメ生産機械のオペレーターなのである。

コメント22

「上山信一ゼミの すぐそこにあるブルーオーシャンを探せ」のバックナンバー

一覧

「ニッポンのコメ作りに、成長戦略は向かない」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授