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羽田発着枠問題、JALは国を訴えるか

2013年10月29日(火)

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 日本航空(JAL)が揺れている。羽田空港の国際線発着枠がANAホールディングス(HD)に傾斜配分されたことを不服として、国土交通省に配分の見直しと、政策決定過程について行政文書の開示を求めている。国の通知期限を11月初めに控え、「次の一幕」はどう展開するのか――。

 「正々堂々と行くよ」。JALの植木社長は9月末、記者にこう打ち明けた。既に羽田の発着枠問題では傾斜配分が避けられないと読んでいたのだろう。「僕らは社会に必要な企業という大義を受けて再生した。今度は、その恩返しが大義になる」。「大義」には、今回の問題で不利な立場に追い込まれても、徹底して正論をぶつける決意がにじむ。

 案の定、国交省は10月2日、JAL5枠に対しANAHDに11枠を与えると発表した。JALは羽田の新規発着路線の開設が大幅に制限されることになる。

傾斜配分された羽田の国際線枠
ANAHD JAL
英国 1 1
フランス 1 1
中国 1 1
シンガポール 1 1
タイ 1 1
ドイツ 2 0
ベトナム 1 0
インドネシア 1 0
フィリピン 1 0
カナダ 1 0
合計 11 5

 JALは利用者の利便性を損なうとして、すかさず国交省に対し異例の対応に踏み切った。情報公開制度によると、各省庁が情報を開示するかどうかを決定する期限は原則、請求のあった日から30日以内。今回は11月3日ごろがリミットとなる。

 今後の展開は3つほどありそうだ。もっとも穏当なのは、JALが情報開示に関する国交省の見解を受け取り次第、振り上げた拳を下ろすことだろう。

 ただ、この可能性は低い。JALは国交省が内部で発着枠を決定するまでに授受した文書、書面、電磁的記録(メール)にとどまらず、第三者とのやり取りまですべて開示するように求めているためだ。

 第三者が政治家や外交筋、そして誰よりもANAHDを示すことは想像に難くない。国交省が第三者とのメールなどを行政文書ではなく私信と判断すれば、ひとまず開示は見送られる公算が大きい。

 空港が国民共有の財産であり、「活用に向けて透明性の高い議論が尽くされるべきなのは論を待たない」(経営共創基盤の冨山和彦CEO=最高経営責任者)。国交省は国内線の発着枠配分では有識者による外部検討委員会を設けているにもかかわらず、国際線については裁量行政を続けてきた。JAL、ANAに大きな差をつけずに競争を促進する環境を作ることが大切だと判断してきたからだ。

 公的支援を受けて身軽なコスト体質になったJALに対し、自助努力で応戦するANAHD。仮に競争環境のゆがみに配慮して国交省がANAHDに有利な傾斜配分をしたとすれば、「ゆがみ」がどの程度あるのか定量的に示すことは所管官庁の責任だろう。

 今回の発着枠決定を受け、ANAHDの伊東信一郎社長は「これまでの経営努力について認めていただいたことに感謝申し上げたい」とのコメントを出している。

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「羽田発着枠問題、JALは国を訴えるか」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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