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日本も?世界中に「住宅バブル」懸念

中央銀行には事前策のハードル高く

2013年10月30日(水)

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 カナダのフレアティ財務相は10月10日、国際会議出席のため訪れた米ワシントンで、「私は最初から米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和をすべきだとは思わなかった。彼らはそれを実行してしまったが、できるだけ早くやめるべきだ」と述べた。隣の国であり経済的関係も深い米国の中央銀行に対し、異例の「注文」をつけた形である。

 2008年9月に「リーマンショック」が発生して世界経済に激震が走る中、中央銀行であるカナダ銀行は積極的に利下げを実施。主要政策金利である翌日物金利の誘導水準は2009年4月に0.25%まで低下した。

 しかし、米国と違ってカナダの場合、そこから量的緩和にまで踏み込むことはしなかった。カナダ銀行は経済状況の安定化をにらみ、2010年6月には利上げに転じ、翌7月と9月に追加利上げを実施した。以降、現在まで翌日物金利の誘導水準は1.0%となっている。

カナダでさえ住宅バブル?

 そのカナダで、住宅バブルが発生しているのではないかという見方が出ている。同国政府は住宅市場の過熱防止策を2008~12年に4回にわたって打ち出した。これにより同国の住宅市場はいったん減速したものの、その後は再び勢いを増しているようである。

 カナダの大手銀行のトップは当局に対し、「バブルを怖がるのなら、規制をさらに強化するのではなくて、金利引き上げを実施すべきだ」という意見を述べた。これに対しフレアティ財務相は9月9日、住宅市場の状況には満足しているとした上で、「(誘導対象の)翌日物金利は上昇していなくても、住宅ローン金利は上昇している」と指摘した。

 量的緩和の世界には足を踏み入れず、超低金利政策も比較的短い期間で終えたカナダにおいてでさえも、住宅バブルの可能性が問題視されていることは興味深い。

 カナダと同じく量的緩和に踏み込まなかったオセアニア諸国でも、住宅バブルへの警戒感が生じている。

 米国のように移民受け入れを含む人口の増加によって国力を増大させてきた面が大きいオーストラリアでは、中央銀行であるオーストラリア準備銀行(RBA)が住宅価格の上昇傾向について警戒感を強めている。9月26日に公表した報告書では、無分別に貸出基準を緩めるべきではないとして、銀行に自制を求めた。その後、国内大手銀行の会長が10月2日の会合で、「住宅バブルは現時点ではないが、2年後には起こる恐れがある」「これは需給の問題だ。住宅建設のペースが人口増加率に全く追いついていない」と説明していた。

 ニュージーランドでは、10月3日に同国の通貨が利上げ観測から買われる場面があった。中央銀行であるニュージーランド準備銀行(RBNZ)のウィーラー総裁が、「住宅ローンについての新たな規制が住宅価格の上昇を抑制できない場合には利上げが必要になる」との認識を、新聞への寄稿で明らかにしたためである。

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「日本も?世界中に「住宅バブル」懸念」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士