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ドラフト会議、悲喜こもごもの38年史

“契約金泥棒”生む構造にメス入れよ

2013年11月1日(金)

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 プロ野球のドラフト会議はスリルに富んで面白い。人の人生を左右し、球団の浮沈に関わるイベントを野次馬根性で見てはいけない。だが、5球団の1位指名が競合した松井裕樹(桐光学園)を獲得するためにクジを引き、楽天が幸運を引き当てた時の泣き笑いは、下手なドラマよりエキサイティングだった。これまでにも様々なドラマがあったドラフトの軌跡をたどる。

 巨人の阿部慎之助、菅野智之も、楽天の田中将大、則本昂大も、活躍している選手のほとんどはドラフト上位指名組だ。

 入団先を指名できる「自由枠」「希望枠」があった時期には、その制度を活用して望む球団に入った選手もいる。阪神・能見篤史や西武・岸孝之らがそうだ。アマ時代の評価を裏切る上位指名組は毎年必ずいる。スカウトの眼力が疑問視されるケースがあるし、故障が再発して伸び悩んだ選手もいる。一軍で1勝もできず、1安打も打てないままに消えるのは寂しい。

 その一方で、契約金の安い下位指名組が上位組に対抗意識を燃やし、スターにのし上がったケースも多い。古くは世界の盗塁王・福本豊。1968年(ドラフト開催年、以下同じ)の阪急ドラフト指名は、その他大勢組の7位だった。73年の阪神・掛布雅之は6位。1位は同じ三塁手の佐野仙好だったが、この大卒のライバルを外野へ追いやった。

 大リーガーになったイチローも、91年のオリックス指名は4位。投手から打者に転向する予定だった高卒選手の評価は、さほど高くなかった。スカウトはドラフト時に「伸びしろ」がある、なしを考慮するが、見込み違いや、うれしい誤算はよくある。

 91年の広島・金本知憲の指名順も4位だった。1位は同じ大卒外野手の町田公二郎。日米大学野球で3、4番を組んだ間柄だ。

 何が原因で1位と4位に分かれたか、理解できなかった。しかも、スンナリと4位指名されたのではない。広島は4位に高卒投手を指名。これが横浜と競合し、クジ引きで敗れたところでやっと金本を指名した。いわば「外れ4位」。

 下位指名組は入団発表の席で改めて悔しい思いをする。写真撮影でオーナー、監督の横に座るのは1、2位選手。下位組は指名順位に従って脇へ並ぶか、後列に立つかだ。

 金本は後列だった。記者の質問も町田に集中し、金本らへは形だけの質問があっただけ。入団当時は自称“アルミの体”だった金本が“鉄人”に変身した背景に、この時の屈辱がある。

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「ドラフト会議、悲喜こもごもの38年史」の著者

浜田 昭八

浜田 昭八(はまだ・しょうはち)

スポーツライター

アマからプロまで野球一筋半世紀という超ベテランのスポーツライター。現場取材にこだわり続けて、今日も記者席から白球を追う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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