• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「金利オーナス」で財政はどうなる?

改めて財政再建について考える(上)

2013年11月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本の財政についてはほとんど語り尽くされており、財政事情が厳しいことは誰もが知っている。しかし、語り尽くされている割には、一向に事態は好転していない。消費税の8%への引き上げ問題が一段落し、これから2015年度の予算編成を控えているという段階で、財政論議はこれから再び注目されることになるだろう。また、今回の一連の消費増税騒ぎで改めて分かってきたことも多い。この時点で、改めて日本の財政について考えてみる必要がありそうだ。

 毎度のことだが、以下の内容は、私が「経済政策論」という大学院の講義で説明していることを基本にしている。

日本の財政事情を再確認すると

 財務省は、10月に「日本の財政関係資料」という冊子を更新して、ウェブサイトで公開している。財政に関する基本資料を、図表を中心に分かりやすく整理してあって大変便利である。また、国際比較という点では、OECDが毎年2回“Economic Outlook”という資料を出しているのだが、この巻末に Statistical Appendix という統計集がある。これまた大変便利な資料集である。単に統計を集めただけではなく、「構造的財政収支」「プライマリー・バランス」「国際的に定義を統一した失業率統計」「潜在GDP」など、複雑な計算を施さなければならない数値まで掲載されている。私などは三拝して感謝したいほどのありがたい資料集である。私の授業で財政問題を取り上げる時は、最初にこの2つの資料の抜粋を配布して、財政の現状を概観することにしている。

 これら資料から確認される主なポイントは次のようなことである。

 第1に、フローという点で見ると、日本の財政赤字の名目GDP比は2013年で10.3%となっており、主要先進国中で最も大きい。ちなみに、OECD全体の平均は4.3%である。なお、財政が破綻したギリシャは2012年は10.0%だったが、2013年には4.1%に低下している。

 第2に、ストックという点で見ると、日本の公的部門の債務残高の名目GDP比は2013年で228.4%となっており、これも主要先進国中で最も大きい。OECD平均は111.9%、ギリシャは183.7%である。

 なお「日本の財政問題は大したことはない」という論者が、しばしば、日本の公的部門は負債の一方で資産も保有しており、ネットの純債務残高を見れば危機的なレベルではないという議論をすることがある。ネットで見た場合は、確かに純債務残高のGDP比は145.2%に下がる。ただし、次のようなことがあるので、全然安心するわけにはいかない。

 まず、公的部門が資産を持っているのは日本だけではないから、OECD平均もまたネットで見ると、この比率は74.0%に下がる。グロスで見ても、ネットで見ても、債務残高のレベルがOECD平均の2倍であるという事実に変わりはない。また、そもそも日本の公的資産のかなりの部分は将来の年金支払い用の積み立て金なので、勝手に使うわけにはいかないものだ。

コメント4

「小峰隆夫の日本経済に明日はあるのか」のバックナンバー

一覧

「「金利オーナス」で財政はどうなる?」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の社会に足りないのは起業家精神です。

デイビッド・ルーベンシュタイン 米カーライル・グループ共同創業者兼共同最高経営責任者