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グローバルな多様性を競争力に

野村のリーマン事業継承から学ぶ極意(欧米編)

2013年11月8日(金)

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 私ども野村グループはリーマンショック時に米リーマン・ブラザーズの欧州や中東、アジア部門の事業を継承しました。現在、野村グループは全世界で約2万8000人が働いており、ほぼ半分近くを外国人が占めています。前回の“授業”でグローバル化に必須の条件である「外国人と共存するために大切なこと」のアジア編をお話ししました。4時間目となる今回はもっと範囲を広げてみようと思います。

ロンドン拠点が「EMEA(イーミア)」になった

 野村グループが2008年の秋に旧リーマン・ブラザーズのアジアと欧州の部門を継承した後、私は2009年の春にインド、夏に香港とシンガポールで相次いで研修の講師を受け持ちました。そして、その秋になると、今度はロンドンの拠点から研修の依頼が来ました。私は野村証券の社費留学生として約30年前にロンドンで2年間過ごした経験があり、ロンドンは「第2の故郷」のようなものですから、喜んで引き受けしました。

野村のロンドン拠点の管轄は中東・アフリカにまで拡大した

 ところが、私は久しぶりにロンドンの拠点に入った瞬間に、大きな変化に驚かされました。

 研修の依頼をしてきた旧リーマン側の仲間たちと初めて会い、話をし始めたときのことです。彼らは自分たちのことを「イーミア」と呼んでいたのです。

 そこで、交換した名刺をよく見ると、このロンドン拠点は以前と違って「Europe, Middle East & Africa(欧州・中東・アフリカ)」の略、つまり「EMEA(イーミア)」と呼ばれるようになっていたのです。前は、カバー範囲が欧州に限られていましたが、今ではとても広い範囲を管轄しているのです。

 「ああ、そうか!ついに、野村グループは本当にグローバル企業になったんだ」と、その時に改めて気づかされました。金融資本市場において、ロンドン市場は英国だけの市場ではなく、欧州・中東・アフリカ地域の中核となる市場なのです。

ロンドンはグローバル市場を目指さざるを得なかった

世界の市場別の時価総額構成比

注1:データは2013年9月末時点。円グラフの数字はブルームバーグ世界株指数におけるその国が占める割合

注2:ユーロ17カ国はフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、フィンランド、スロベニア、ベルギー、ギリシャ、オーストリア、アイルランド、ポルトガル、ルクセンブルグ、マルタ、キプロス、スロバキア、エストニア

出所:ブルームバーグより野村証券投資情報部作成

 上の図1をご覧下さい。世界の市場別の時価総額構成比を見ると、後述する米国市場が世界全体の4割を占め、英国市場は日本にも劣る7.3%に過ぎません。

 この資料は2013年9月末時点のもので、アベノミクス効果で日本株が急騰した後に当たります。日本市場は時価総額の大部分を自国企業が占めるのに対し、英国市場はユーロ危機後の欧州経済全体の影響を受けているという点には、もちろん注意が必要です。

 しかし、もう1点、ロンドンを中心とした英国市場は、数多くの外国企業、特にEMEA、つまり欧州だけでなく中東やアフリカの企業が上場しており、かつ資金調達もロンドンで行っている点を理解することが大切です。

 要するに、「ロンドン金融市場は自国企業の世界経済に占める位置が落ちてきているからこそ、積極的に規制を緩和して、EMEA全体の資金循環の中心地として存在価値を高めようとしている」ということなのです。

 そして、世界中の発行体がロンドン市場を活用するように仕向けるために、ロンドン市場は日頃から大変な努力をしています。その1つの例が、「各国で異なる会計基準や企業の開示情報を、できる限り世界中の投資家から見て分かりやすいものにする」という努力なのです。

 金融業界の様々な基準や分野でデファクト・スタンダード(統一基準)をつくることに非常に熱心なのがロンドン市場ですが、それは、ロンドン市場がグローバル市場にならなければ競争に劣後してしまうという危機感から来るとよく言われます。

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「グローバルな多様性を競争力に」の著者

池上 浩一

池上 浩一(いけがみ・こういち)

野村ホールディングス・オフィサー

野村証券で法人開発部長、IR室長、広報部長兼宣伝部長を歴任。2006年から現職。2011年1月から名古屋大学客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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