• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ターミネーターは2カ月先から

2013年11月7日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 あまりにもがっくりきてまだ立ち直っていない。

 順を追って話そう。
 この時期になるといつもプリンタの調子がおかしくなる。

 年末は年賀状印刷のために酷使するから、というわけでもない。職業上、プリンタはほぼ毎日あくせくと稼働している。

 かつて某社の電化製品には、期限が来るとTV版「スパイ大作戦」のテープレコーダのように、自らの機能を停止させる●●●タイマーという仕掛けがあらかじめプログラミングされている、というまことしやかな都市伝説があった。生物におけるアポトーシスのようなものか(しかし、アポトーシスはいっとき科学読み物やSFやアニメで流行りましたが、最近はあまり聞きませんね。私が寡聞なだけかもしれないが。生物学業界にもトレンドみたいなものがあるんでしょうか)。

 とにかく、毎年もっとも本業が忙しい、そしてもちろん年末年始の挨拶も準備せねばならないこの時期になると、図ったようにウチのプリンタは壊れるのだ。

 プリンタ業界におかれましても、この節が1年でいちばんの売り時であることを考えれば、マンガ家がタイマーの存在を疑ってもおかしくはない。

 しかも、それは必ず至急で印刷発送物を制作しなければいけないときに限って起こるのだった。修理に出している時間はない。年末進行が始まりかけているというのに、日経ビジネスオンラインの締切も迫っているというのに、私はトラブルの症状をWEB上のサポートページや質問サイトと照らし合わせながら、ブラックボックス的な機械と格闘を始めた。

 ちょっと待て、さきほどから年末年末といっているが、まだ気が早すぎるだろう、というご指摘もあるかもしれない。

 ところがそうではない。我々原稿生活者というか出版業界においては、ハロウィンが到来し、たそがれの国が終了する時分には、既にクリスマス関連の記事や作品の入稿をすませておかなければならない。

 もちろん、紙メディアには、印刷・製本・配本という物理的な工程があるから、たとえば正月に出る雑誌に正月のことを載せるためには、前倒しで作業するのはあたりまえだ。これはまあ出版業界に限らず「私ども流通でも」「我々アパレル業界でも」という声が聞こえてきそうだ。

 しかし、ことはそれだけではすまない。

 皆様よくご案内の通り、雑誌の世界ではなぜか、その月号・月日号というのは、実際にその号がリリースされる期日よりも半月からひと月先の未来の数字が表示されることになっている。

 と、書いてあまりにも下手な日本語に頭を抱えているところだ。まるで関係代名詞をうまく訳せない下手な英文解釈の答案だ。

 要するに、なぜか1月号は12月に……下手をすると11月の終わり頃には出てしまう、ということだ。たいていの雑誌はひと月先から過去にタイムリープして発売されるのである。いつごろからかわからないが、そうなっている。

コメント10

「とり・みきの「トリイカ!」」のバックナンバー

一覧

「ターミネーターは2カ月先から」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック