• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

アベ相場1周年、企業財務の現場は今

円安が生じさせる企業経営上の困難

2013年11月12日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 昨年の11月14日、当時の野田佳彦首相が突然、衆院解散・総選挙実施の意向を明らかにした。それからほぼ1年が経つ。

事実上のアベノミクス相場が始まって1年
円の対ドル相場(1ドル=円)

 改めて振り返れば、為替市場ではまさにその日をもって、長きにわたる円高局面が終止符を打った。円の対ドル相場はしっかりと1ドル=80円台を回復し、総選挙が実施された昨年12月16日には、それまで2年以上にわたり水準の「壁」となっていた85円の節目をうかがい、今年初めにかけて、その「壁」を突き抜けて円安・ドル高が進んだ。

 「円安進行はアベノミクスの成果」との見方もあるが、基本的には日銀の金融緩和姿勢によるものだ。安倍晋三・自民党総裁(当時)が「無制限の金融緩和でデフレ脱却」と選挙に向けて旗印を掲げたことで、市場の円安期待が醸成されたことは事実。そして日銀を実際に「動かした」のが安倍政権であるとすれば、日銀の独立性はともかくとして、政府の経済政策と金融政策が同調することは当然であり、その範囲内で安倍政権の功績ということはできる。

 しかし95円までの円安・ドル高は基本的にドルの自律反発と言えるだろう。外部環境や外部条件の変化により、戻るべくして戻った、つまり円高が修正されるべくして修正した、というわけだ。

貿易赤字下の円高終息は自然

 グローバルなショックは2012年には峠を越えたことが明確になり、特に米国経済は緩やかな拡大基調に入っていた。株価も右肩上がりだ。

 一方の日本では、東日本大震災後にエネルギー輸入の急増と円高に伴う海外への生産シフトなどによって貿易収支が急速に悪化し、その後は過去最大の貿易赤字が続いている。こうした環境で円高が終息し、「中立水準」に戻っていくことは自然なことだ。

 そうした流れのなかで、「安倍政権の政策」は市場の円安期待に火をつける触媒の役割を果たし、投機筋の円売りを活発化させたにすぎない。期待感を醸成した分、スピードが速かったが、その時間軸における成果に関しては「アベノミクス」を評価したうえで、価格軸においては評価を割り引いたうえで考える必要がある。

 そして今年4月以降、95円から103円台までの円安・ドル高の動きは黒田東彦・日銀総裁による「異次元緩和」、すなわち大胆な量的緩和に触発された投機主導の「行きすぎた」円安だ。相場の勢いに任せたオーバーシュート局面と言えよう。

 その後、円相場は今に至るまで大きく見れば、チャート分析上の「三角保ち合い」を形成し、100円台への定着はまだ実現していない。値動きだけから評価するなら、黒田緩和の効力が途切れた、とも言える。

 しかし米国サイドの条件によるドル高要因が整っていなかったというのが実情だろう。103円までの円安がそもそも行きすぎであり、期待先行による急激な円安・ドル高局面を捨象すれば、95円より円高・ドル安に行きにくくなっている現状は、十分に日銀による量的緩和の効果が持続しているとも言える。

「深谷幸司の為替で斬る! グローバルトレンド」のバックナンバー

一覧

「アベ相場1周年、企業財務の現場は今」の著者

深谷 幸司

深谷 幸司(ふかや・こうじ)

FPG証券・代表取締役

三菱銀行からドイツ証券、クレディスイス証券を経て、2012年に為替アドバイザーとして独立。2013年3月からFPG証券代表取締役。相場変動をいかに乗り切るかをテーマに個人から企業に至るまでサポート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長