• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

怒る星野がなぜもてる

楽天を日本一に導いた男の横顔

2013年11月15日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 喜怒哀楽をこれほどストレートに表現する指揮官は珍しい。プロ野球日本一の座に就いた楽天監督の星野仙一である。胴上げでは涙を流して喜んだが、クライマックスシリーズ(CS)から日本シリーズにかけて、ものすごい形相で怒る姿が目立った。

 冷静沈着であることが求められるリーダーなのに、星野はなぜ感情をムキ出しにするのか。それでいて、なぜ勝てるのか。そしてファンにもてはやされるのか。本当は優しい人と思わせる雰囲気があり、それを演じる芝居気も、この66歳の男にはある。

 ガムを噛みながら顔をしかめる。ボーンヘッドや逃げ腰の投球には情け容赦ない怒声を浴びせる。時にはコーチを呼び寄せ、「何を教えているのだ」と言わんばかりに叱りつける。だが、快打、快投には大声を上げて拍手を送り、ヒーローを熱い抱擁で迎える。グラウンドでの星野は百面相だ。

 対照的な姿として、中日の監督だった頃の落合博満が思い出される。それが義務づけられているかのように、能面にも似た顔を崩さなかった。

「おまえはユニホームを着ると人が変わる」

 星野が師と仰ぐ川上哲治も表情を変えなかった。その系統を引く西武時代の森祗晶も、試合中の表情だけを見ると、リードしているのか苦戦中なのか判別できなかった。監督たるもの、場面ごとに一喜一憂してはならないという考えが定着していた。

 これに星野は真っ向から反論する。

 「野球ファンはオレがいつも怒っていると思っているらしい。絵として面白いから、テレビは怒っているオレばかりを狙う。確かに怒っている。真剣に怒っている。何が良くて、何が悪いかを徹底するのに、中途半端な言い方では伝わらない」

 星野はソフトバンク球団会長の王貞治に、「おまえはユニホームを着ると人が変わる」と言われたことがあったそうだ。40代だった中日監督時代は乱闘騒ぎの先頭に立ち、審判にかみついた。阪神、楽天の監督になってからも、「闘将」の姿勢を崩していない。だが、私服の星野は礼儀正しい常識人。その落差に驚き、誰もが人間星野に興味を抱く。

 星野には「人たらし」というニックネームがある。講演会やパーティーで星野と接した人たちは、ほとんどがファンになる。野球以外のこともよく勉強していて、話もうまい。政財界の長老にも堂々と意見を述べる。体育会系の暴れん坊というイメージを覆す姿が、好感度をさらに上げる。

コメント2

「「記者席より愛をこめて」」のバックナンバー

一覧

「怒る星野がなぜもてる」の著者

浜田 昭八

浜田 昭八(はまだ・しょうはち)

スポーツライター

アマからプロまで野球一筋半世紀という超ベテランのスポーツライター。現場取材にこだわり続けて、今日も記者席から白球を追う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官