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日本人は「ビッグマックの野菜抜き!」って頼めますか?

「おもてなし」は、ご機嫌取りだけじゃない

2013年11月19日(火)

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中国人の誤解 日本人の誤解』(日経プレミアシリーズ)

 今年、日本最大の喜ばしい話題といえば、何といっても2020年の東京オリンピック開催決定だろう。かなり前のことに思えるが、滝川クリステルの「お・も・て・な・し」は手ぶりを真似する子どもや大人たちの間で大ブームとなった。「おもてなしとは何ぞや?」「日本こそ世界一のおもてなし大国だ」といった議論が巷を席巻した。

 先日、私も日本に住んで4年半になる旧知の中国人、王さん(男性、31歳)と食事していたとき、この話題になった。

 「おもてなしって、本当はどういう意味なんですか?」と王さん。王さんは日本語が堪能だが、電子辞書で引いても、この単語は出てこなかったという。微博(中国版ツイッター)を通じて、中国に住む友人からもしばしばたずねられる単語だそうだ。同じ電子辞書で「もてなす」と引いてみると、1:取り扱う、2:ご馳走する、3:面倒を見る、などの意味が書かれていた。だが、どれもピンと来ない。私は自分なりにこんな説明をしてみた。

 「たとえば、家に人を招くとき、食事を作ってご馳走するだけでなく、事前に部屋の掃除をしたり、テーブルに小さな花を飾ったりして、その場の雰囲気をよくすること。または相手の好みを想像して、どうしたら喜ばれるかなぁ、とあれこれ考える気持ちや行動、思いやりのことをいうんじゃないかな? 必ずしも、目の前にいる人に直接的に何かしてあげることばかりじゃない。もちろん、お金が発生しないこともたくさんあるよ。要は相手の気持ちをよくしたいと思ってする行為。広い意味でいうと、その人を迎える環境を整える、ということかな?」

 これは「おもてなし」の一部でしかないだろうが、私なりの咄嗟の説明に、王さんは納得してくれたようだった。

 ところで、ちょうどこの話題になったので、私のほうも王さんにたずねてみたいことがあった。日中の「おもてなし」に関する違いだ。

すばらしすぎる「おもてなし」を支える現場

 日本がおもてなし大国だとすれば、中国には真逆のイメージを抱いている日本人が多いのではないだろうか? おもてなしとサービスは似ているようで異なるので、もちろんイコールでは語れないことだが、家庭内や個人間の「おもてなし」は千差万別で一般化しにくいので、主に金銭をともなう日中の「おもてなし」の違いについて書いてみたい、と以前から思っていたのだ。

 たとえば中国で買い物をしたり、レストランで食事をしたりしたとき、店員からおもてなしの欠片もない素っ気なさで、むしろ客より威張っているかのような態度をされることは多いだろう。私自身はちょっと変わった性格なので、中国の一部で見かける劣悪なサービスに対して、「おもしろい。何かのネタになるかも」と客観的に見てしまう。だが、かゆいところにまで手が届く「おもてなし大国」の日本から出かけてみれば、中国は(だいぶよくなってきたとはいえ)、「おもてなし」落第点の国、といえるかもしれない。

 しかし、私は最近になって、あまりにも行き届いた、すばらしすぎる日本式の「おもてなし」のほうに、ときどき違和感を覚えてしまう。

コメント16件コメント/レビュー

記事を読んでいて自分の感覚は中国人に近いかなと思いました。日本には過剰サービスがはびっこっていて、これが労働者への負担になっているとの指摘は以前から思っていました。横並びが大好きで、価格相応のサービスが構築できない土壌なんですね日本は。その意味で、スカイマークがCAのサービス内容を明記したときは拍手しました。日本人にとって、心からのおもてなしの精神が、企業倫理によってマニュアル化したおもてなしへのサービスに変質してしまったことが、見かけ上のおもてなしを助長し本当のおもてなしを判らなくしているように感じます。(2013/11/20)

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「日本人は「ビッグマックの野菜抜き!」って頼めますか?」の著者

中島 恵

中島 恵(なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年、山梨県生まれ。1990年、日刊工業新聞社に入社。退職後、香港中文大学に留学。1996年より、中国、台湾、香港、東南アジアのビジネス事情、社会事情などを執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

記事を読んでいて自分の感覚は中国人に近いかなと思いました。日本には過剰サービスがはびっこっていて、これが労働者への負担になっているとの指摘は以前から思っていました。横並びが大好きで、価格相応のサービスが構築できない土壌なんですね日本は。その意味で、スカイマークがCAのサービス内容を明記したときは拍手しました。日本人にとって、心からのおもてなしの精神が、企業倫理によってマニュアル化したおもてなしへのサービスに変質してしまったことが、見かけ上のおもてなしを助長し本当のおもてなしを判らなくしているように感じます。(2013/11/20)

「おもてなし」なのかどうかは不明だが、中華系の合理的なサービスが快い時も多々ある。日本文化に慣れていない同僚の北米人達が、日本の飲食店のサービスはチップ文化が無い国としては比較的良い方だが、欧米よりは遥かにサービスが劣る、と口を揃える。北米の飲食店では、ウェイター達がやたらと話しかけてくるのだが、あれをサービスだと判断しているようだ。日本人の私からすると、お節介、或いはチップねだりだとマイナス方向に感じてしまう。所変われば、である。突き詰めて考えると、商売においてのサービスとは、顧客にリピートしてもうら為の手段に過ぎない筈だが、客の嗜好や同業他社の出方に左右されてしまう。(2013/11/19)

以前中国人の礼儀に対して憤慨している人がいた。彼曰く「中国人は煙草を投げてよこす。礼儀もへったくれもありゃしない。彼らに日本の礼儀作法を教えてやらねばならない。」と。そんな彼が煙草を人にくれてやったトコロをただの一度も見たことがない。例え投げてよこしても自分の物をその場の者とシェアしようとする中国人の方が好感が持てた。まぁ文化、風習の違いを表す一例です。(2013/11/19)

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